東京オリンピック・パラリンピックの「1年程度の延期」で、チケットや費用、会場など課題が山積している。スポーツライターの小林信也さんは「1年程度」というあいまいな期間の中で、具体的にどの季節に開催するかに注目する。「春だったら、ぎりぎりで今決まっている選手をそのまま代表として移行できます。でも、夏にずれ込んだら、もう1回決め直さないといけなくなります」という。選手のコンディションやモチベーションを保つのにも1年は長い。
小林さん「本当に選手ファーストだったら、いつやるのか、いつ決定するのかなどプランだけでも提示しないと。選手たちは今、喪失状態だと思います」と話す。
ウェブマガジン編集長の望月優大氏は「1年ぐらい延期というのは決断にも見えるけれど、先延ばしにも見えます。外からのプレッシャーの中で、『中止は絶対にいやだ』という気持ちだけで突き進んでいるようにも見えます。1年たってどうなるか分からないなかで、先延ばし的な感覚をずっと続けるのはどうなのか」と批判的だ。
「公式リセールサービス」で買い取り
すでに買ってしまったチケット問題はどうなるのか。大会組織委員会の武藤敏郎事務総長は、「日程変更で行けない人などにも十分配慮する。決して迷惑をかけないような対応をしていきたい」と話す。2016年当時の大会招致担当課長の鈴木知幸さんは「不要の場合は、『公式リセールサービス』が定価で買い取ってくれるのではないか」と見ている。
会場の調整や再予約と追加費用も発生する。元厚生労働相の舛添要一氏は「最終的には金です。その金を誰が出すのかと言ったら、東京都民が出すんです」
キャスターの立川志らく「IOCがいくらか補てんしてくれることはあり得ないのですか」
舛添氏「ないです」