東京都内の新型コロナウイルスの累計感染者数は、北海道を抜いて全国最多の171人となった。しかし、小池百合子都知事はおととい22日(2020年3月)に「この3週間はオーバーシュート(爆発的感染)が起きるか否かの分かれ道」と警報を発したのみで、いまひとつ危機感が伝わってこない。
厚生労働省の推計では、3月19日から25日までの東京の予想感染者数は51人だったが、実際は、きのう24日の段階で60人に達している。想定以上のスピードで感染者が増えているのだ。
不特定多数の人が多く出入りし、感染ルートがわからない感染者が半数を占めているのが東京の特徴だ。きのう24日に判明した17人についても、9人の感染経路がわかっていない。政府の専門家会議の尾身茂・副座長は「モーニングショー」の取材に、「武漢からの帰国者を第1波とするなら、ヨーロッパなどから第2波が来ている。ロックダウン(首都封鎖)が起きないように今が大事な時期」と警鐘を鳴らした。
きのう24日にも都内でプロレスイベント「自粛要請なかったから」
都知事だけでなく、記者会見した都の担当者も、「患者発生数は多いが、まだ(感染不明者が)急激に増えている状況ではないという認識です」「検査が進んでいるので、感染者が多くなっています」とどうもピント外れだ。
「ビジネスインサイダージャパン」の浜田敬子統括編集長によると、きのう24日、東京ではプロレスのイベントが開かれていたという。取材したところ、「自治体から自粛の要請が来ていないから、気を付けて開きました」と答えたそうだ。
浜田「埼玉のK-1のイベントでは、県知事が自粛要請のため現地を訪れていたのに比べ、東京都は、トップが他の大都市と比べてメッセージが遅いという印象です。イベントに対しても、細かく目を光らせて自粛の要請をしていない。その間にどんどん中規模、大規模のイベントが開かれているという実態があります」