長谷川博己が主演を務めるNHK大河ドラマ「麒麟がくる」(写真・NHKホームページより)の第10回「ひとりぼっちの若君」が22日(2020年3月)に放送され、平均視聴率は16.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが分かった。前回から1.5ポイント上昇し、だんだん盛り上がってきた。
好調の理由は、信長(染谷将太)や、のちに家康となる竹千代(岩田琉聖=りゅうせい=君)といった戦国のスーパースターたちが、それぞれ持ち味を発揮して登場してきたことにあるようだ。第10回では、今川義元(片岡愛之助)が尾張の国境に侵攻。今川は、織田信秀(高橋克典)の庶子・信広を生け捕りにして、人質として置かれていた三河松平家の嫡男・竹千代の引き渡しを要求するという物語だった。
「狂気を秘めた信長が、竹千代に一目置いたのもよくわかる」
竹千代は、後の天下人としての片鱗を見せるシーンがあった。信長が竹千代の父・松平広忠を討ったことについて、竹千代は「父上は今川義元に付いたのです。それゆえ討ち果たされたのは致し方ないことと思うています」ときっぱり。さらに、「今川は敵です。いずれ討つべきです。その敵の懐に入り、見てみたいと思います。敵を討つには敵を知れと申します」と言い放ったのだ。
ネット上では、竹千代の賢さと命を張った信長とのやりとりに「ゾクゾクした」「鳥肌が立った」と称賛の声が集まっていた。
「子供でも確固たる信念を持って信長と渡り合おうとする竹千代が健気だ。将棋の描写から『焦点の歩』という言葉が浮かぶ。捕らわれの血縁の将、信広と、幼き故、掌中の駒としてやり取りされる身の竹千代。信長は将棋に絡めて竹千代を睨み、その竹千代は血の怨みよりも宿業に自身の器を語る事となった。光秀に戦術を見出し、竹千代の覚悟に戦略を見る信長。信長は将棋を楽しむ様な表情をしながら、頭脳の中では冷徹に三河の行く末を、今川との大局を睨んでいた。それを静かに天井から聴く菊丸。そして桔梗紋を想う駒ちゃんの覚悟は?とても長い序盤ですが、丁寧に必然を描いていた」
「私は家康が好き。三河の武士たちが人質に取られている幼き主君のため、命がけでよそ様のために戦い、ひたすら三河に主君を迎える日を待ちわびる姿が好きなのだ。なので、屋根裏から若君を見つめる菊丸の、あんなちょっぴりのシーンにジジーンときてしまう。ところで、竹千代がいくつなのかも気になる。テロップ入れてくれないかな。今、竹千代8歳、信長15歳、光秀は21歳、駒20歳とか。感情移入しやすくなるのだが」
「本日の主役は竹千代。見方によっては、日本史上最も成功した男家康だけに、幼き頃から天才子武将だった? さすがに竹千代が出来過ぎ君で、作りすぎの感もあったが、ドラマ的には帰蝶も含め、あの場にいた4人の思惑を感じさせ、それぞれのこれからも垣間見える良い場面だった。狂気を秘めた信長が、幼き竹千代に一目置いたのもよく伝わってきた」
「今回のハイライトは竹千代と信長が将棋をするシーン。できれば盤上からの映像がほしかった。将棋が好きなので。空気がピリッとして抑えたBGMも良くて見応えありました。この子が後に風間俊介くんになることに妙に納得。頭が切れる者同士の会話ってワクワクする。この時は仲良しだったんですね」