東京五輪の2年延期に動く高橋治之・組織委理事の狙いは古巣・電通の利権を損なわないことだ
そこに、東京オリンピック招致に"尽力"した元電通で大会組織員会理事の高橋治之も、「1~2年延期するのが最も現実的」といい出した。
国士舘大学の鈴木知幸客員教授は、高橋の本音は2年延期だと見ている。それは「来年8月にアメリカで開催される世界陸上は電通が放映権を握っているから、そことバッティングさせるわけにはいかない」というのだ。
再来年はカタールでサッカーW杯があるが、時期も11月から12月、W杯に出場する選手とは年齢層もかぶらない。
それにその年には、北京で冬季オリンピックも開催されるから、「アジアが一丸となる」と謳うこともできる。
私も延期論に傾いている。問題は選手だけではなく東京・晴海につくる選手村は、大会後に増改築して23棟のマンション、計約5600戸を売り出す予定だ。
既に販売済みの物件もあり、予定通りに引き渡しができないと、「補償問題に発展する可能性もあります」(スポーツ紙記者)
バカでかい新国立競技場も、ハコはできても、入れるものがないのでは、宝の持ち腐れである。
これを機に、IOCの利権まみれになってしまった五輪そのもののあり方、運営の仕方について、世界の首脳たちが話し合う場を設けて、侃々諤々、とことんやりあったらいい。(文中敬称略)