新型コロナウイルスの影響で失業する人たちが急増している。労働組合の全国組織「全国ユニオン」には、7日と8日(2020年3月)の2日間に新型コロナウイルスの影響による雇い止めの相談が77件寄せられた。鈴木剛会長はこのような相談が今後ますます増えることを危惧する。
相談者の中には非正規で働く40代シングルマザーの悲痛な声もあった。女性は北海道のホテルで子どもとともに住み込み、配膳係として働いていたが、新型コロナの影響でホテルに客がいなくなり、解雇を言い渡された。住居と仕事をいっぺんに失うことになった女性は途方に暮れている。
最安値のもやし炒めだけでしのぐ元バス運転手
また、正社員として観光バスの運転手をしていた50代男性も、社長から電話で解雇を言い渡された。1月27日以降の予約が全部キャンセルされ、バスの稼働がゼロになったため、全員解雇になった。
今、男性は食費を切り詰めながらぎりぎりの生活をしている。スーパーを渡り歩いて買った最安値のもやし炒めが主食だ。6個入りのパンを朝昼夜で2つずつ食べてしのぐ日もある。
男性は「なぜなんだ?正直言ってふざけんなこの野郎という気持ちです」と行き場のない怒りを口にする。でも、会社を訴えることはしなかった。「社長も言いづらそうだった。(ほかの社員と相談して)会社も苦しいし、騒いでもしょうがないかという結論に足した」
一方、解雇を言い渡した社長も「うちのバス関係の仕事は一切なくなりました。解雇をして会社の状況が回復してから再雇用の手続きをすると伝えた。悔しいです」と話す。
厚生労働省は、新型コロナの影響で失業してしまった人たちを対象に総合支援基金を設置した。最大で月に20万円を無利子で貸す特例措置だ。25日から受付開始する。
キャスターの立川志らく「世の中を一生懸命回している、弱い人たちがこういう目に遭ってなってしまう。極端な話、オリンピックなんかよりこういう人たちを助ける方が大事です」
玉置妙憂(僧侶・看護師)「1か月くらいで生活が困窮してしまう、つまり全く蓄えができないような経済のあり方が今回露呈してしまったわけです。これを機に変えていかなきゃいけないと思います。今は先の事を言っている場合じゃないですけど」