新型コロナ感染症が拡大するなか、高視聴率が見込めるとして刑事ものと並んで連続ドラマの2本柱と言われる医療ドラマが大ピンチを迎えている。
新型コロナ感染症の対応に追われて、病院(写真はイメージ)でのロケを断られるケースが続出しているというのだ。ネット上では「当然のことだ。いままで病院がロケを許してきたほうがおかしい。感染症治療に専念してほしい」という意見が圧倒的だ。
「刑事ドラマだからといって警察署でロケ撮影しますか?」
ことの発端は、スポーツニッポン紙が3月15日付(2020年)に報じた「"病院で撮影をしないでください"医療ドラマ コロナ余波でロケ拒否続出」という見出しの記事。
それによると、フジテレビ系「アライブ がん専門医のカルテ」やTBS系「病室で念仏を唱えないでください」、TBS系「恋はつづくよどこまでも」などがロケ場所だった病院での撮影の継続ができなくなったり、撮影場所の変更を余儀なくされたりしているという。
理由は、ドラマの撮影は大人数で臨むため、患者へ感染させるリスクが高まることや、外観を撮るだけのシーンでも病院にテレビカメラが向くだけで、来院者が「この病院で何か起きたのか?」と不安になることなどがあげられるという。
こうした報道に対して、ネット上では本当の病院を医療ドラマのロケ現場に使うこと自体に疑問の声があがっている。
「そもそも、病院が舞台だからといって病院で撮影するのはおかしくないか? 病院の機能が多少でも止まるのは間違いなく、患者にとっていいことは何もない。刑事ドラマだからといって、警察署で撮影はしないでしょう?」
という意見が代表的だ。
米ロサンゼルス在住の映画ライターはこう驚く。
「(日本で)医療ドラマを本当の病院で撮影しているという事実に、心底驚きました。スタジオにセットを作って撮影するほうが、照明といい、大道具の位置といい、好きに工夫できます。病室なんてシンプルなので、お金もかからないはず。あとは廊下、待合室などを作って、外観だけどこか実在の病院を借りればいいのです。レストランやショップなら、テレビに出ることで宣伝効果もあるでしょうが、病院だとそのメリットもありません」