日米両首脳が14日(2020年3月)にそれぞれの国民に向け、新型コロナウイルスに関する会見を開いた。その内容があまりにも対照的で、明暗を分けたと話題になっている。
安倍晋三総理は感染者増加のスピードは諸外国に比べ抑えられていると強調、「現時点では緊急事態ではない」という認識を示した。WHO(世界保健機関)がパンデミックを宣言したが、「人口1万人当たりの感染者数を比べると、我が国は0.06人にとどまっている」というのがその理由だ。
現在確認されている日本の感染者数は1529人で死者は31人だ。検査目標は1か月で24万人だという。また、追加費用については明言せず、収束の見通しに関しては「残念ながら申し上げられる状況にない」と述べた。
「どうでもいいことはペラペラ、肝心なことはダンマリ」
しかも、またも一方的に記者会見を打ち切ろうとして、怒った記者たちから「これが会見と呼べるか!」と怒号が飛ぶ始末だ。
一方、46州で1600人超の感染者と41人の死者が確認されているアメリカでは、トランプ大統領が「国家非常事態」を宣言。感染拡大の防止と経済停滞の懸念から、約5兆4000億円を投入することを表明した。トランプ大統領の発表を受け、ニューヨーク株式市場は前日に記録した過去最大の大暴落から一転して上昇、過去最大の上げ幅を記録した。
また、検査目標については1か月以内に500万人とし、収束の見通しは「今後8週間が重要だ」と述べた。
元厚生労働相の舛添要一氏はトランプ大統領の会見を評価する。「細かいことは言わず、『非常事態宣言』『500億ドル出す』と大事なことを先に言い、分かりやすかった」というのだ。