「感染者数1万149人、死者数631人。人口6060万人のイタリアで新型コロナウイルスの感染状況は異常ですね」とキャスターの伊藤利尋が取り上げた。感染防止のため受刑者の面会を制限したら、複数の刑務所で暴動が発生して7人が死亡した。連立与党党首も感染してしまった。
なぜ、欧州でイタリアだけが蔓延しているのか。20年近くミラノに暮らしているヴィズマーラ恵子さんは、「ミラノの中心地に行ってみましたが、地下鉄の中にマスクをしている人はいない状態でしたね」と話す。イタリアで20年以上ガイドしている女性も「マスクを着けるのは医療従事者と工事現場で仕事をしている人たちぐらい」という。
挨拶としての握手、ハグ、キスをしないように政府は要請しているが、長年の習慣は変えそうにない。街中の店などに、「すべてがうまくいくよ!」と書いた付箋が貼られているが、事態は深刻だ。
医療現場は危機的状況!医師・看護師不足で診療を拒否され死亡
コンテ首相が訴えているのは、医療の危機的状況だ。イタリアの公立病院は診察料無料だが、財政難で過去5年間に760の医療機関が閉鎖され、5万6000人の医師と5万人の看護師が不足している。アメリカの「TIME」誌は「病院で感染拡大した可能性がある」と書いている。俳優の姉が診療を拒否され、新型コロナウイルスで死亡したという悲劇もあった。
伊藤「よくいわれるハグ、キス、ビュッフェ。日常的なコミュニケーションが相手との距離が近いということ。これもありますか」
総合大雄会病院の後藤礼司医師は「マスクをしない文化と関係あるかもしれませんが、医療体制に問題があります」とみている。
古市憲寿(社会学者・作家)「イタリアは南北格差が有名ですが、今回は豊かな北の方ですよね。これが南に広がると、さらに悪化するかもしれませんね」
日本は大丈夫か。後藤医師は「イタリアのようなことが起きる可能性は低いです。今後は高齢者のクラスター(集団)感染に注意が必要」と語っている。