新型コロナで一斉休校が続く中、一部の学校で行われている家庭訪問が問題になっている。日にちや時間が決まっておらず、生徒がきちんと自宅にいるかを監視する抜き打ち家庭訪問ではないか、と批判の声が上がっているのだ。
福岡市に住む後藤富和さんは2人の娘を持つ父親だ。長女が通う中学校の校長から保護者にきたメールには「家庭訪問を3月9日~13日の9:00~16:00に行います」「居宅状況を把握するために担任から訪問時間の連絡はしないようにしました」「本来学校がある時間は自宅にいるようにしてください」などと記されている。
すでに家庭訪問を受けた別の家庭では、担任教師は玄関先で親と1分ほど話しただけで、実際に生徒と顔を合わせることはなかったという。
犯罪者が教師を装って家庭訪問する心配も
後藤さんは家庭訪問について、「人権上の問題」「防犯上の問題」があると訴える。特に気になるのがメールの「保護者の方の同席は必要ありません」という1文だ。共働きの後藤さんの家庭では、子どもが留守番をするときにはインターフォンに出ないように指導しているが、先生が来るのなら出ないわけにはいかない。
「いつ先生が来るのか分からない状態なので、先生を装ってきた犯罪者を家に上げてしまう心配がある。とても危険な状態です」と後藤さん。実際に近くで、自宅にいた女子高生が襲われる強盗未遂事件が発生しており、不安を訴える保護者は多い。
福岡市教育委員会は「抜き打ちだとは考えていません。表現の仕方、言葉は足りなかったことは受け止めています。教員も色々訪問する中で時間が確定できないこともあったので、あえて細かな日程を出しませんでした」と説明するが...。
教員評論家の石川幸夫さんは「一番の問題は子どもが犯罪の被害に巻き込まれること。訪問者からウイルスに感染してしまう恐れもあります。不安をあおりますから学校として対応が間違っています」と指摘する。
キャスターの立川志らく「先生の番号を教えておいて、電話をかければいいんじゃないかな」
鴻上尚史(作家、演出家)「公園で気分転換したりするのは大切なことだと専門家も言っている。子どもを閉じ込めて、抜き打ちするなんて学校はもうダメです!」