埼玉・加須市の市立図書館が、「小・中学生の市内各公共施設への入館をお断りさせていただいております」という『お断り』を出し、物議をかもしている。文言は一部変更され、「小・中学生」が「高校生以下」に、「お断り」が「ご遠慮」に変えられたが、大人は入館できるが、高校生以下はダメということで、「とくダネ!」が出かけてみると、子どもの姿はなかった。
加須市は「休校の趣旨から、子どもたちが集まってクラスターとなるリスクを避けるため判断した」と説明する。子どもを持つ母は「入館が制限されると困る」「気持ちはわからないではないが、借りることと選ぶことはやらせてあげたい」と話す。予約して借りることはできる。
尾木直樹氏「図書館の自由宣言に反してます」
ゲストの教育評論家・尾木直樹氏は、「気持ちはわかりますが、日本図書館協会の図書館の自由に関する宣言で『いかなる差別もあってはならない』としているのですから、全館休館にするか、感染防止の措置をしながら誰でも入れる工夫をするなど、平等にすべきです。お母さんだけが図書館に入って、外で子どもが待っているという状況はおかしいと思います」と批判した。
昭和大学医学部の二木芳人特任教授は、「映像を見る限り、広々としていて換気もよさそうなので、ダメとは思いませんね。みんなで集まってワイワイしたりしなければ、使ってもよさそうに思います」という。俳優で作家の中江有里は「地域によっては、図書館だけが居場所になっている人もいます。居場所がなくなってしまう子どもがいることも、ありうると思います」
社会学者の古市憲寿「これも善意からの判断なのでしょうが、社会的バランスを考えたら、高齢者が集まるパチンコ店やカラオケのほうが危険なのに、図書館を禁止にするのはどうかと思います」