TBS系の日曜劇場「仁-JIN-」は、現代の脳外科医が江戸末期に時空を越えて漂着し、坂本龍馬ら英雄たちと関わり、その医術で歴史を変えてしまうかという壮大なストーリーだった。またもやタイムスリップかと、いささか拍子抜けした今回は、令和と平成元年を行き来し、小学校で起きた連続毒殺事件の犯人とされた父親の無実を証明する物語だ。
主人公・田村心の竹内涼真は、「下町ロケット」「陸王」「ブラックペアン」とこの枠に貢献し、満を持しての主役起用である。堂々とその役目を果たしている。東元俊哉の原作漫画とは真犯人が違うという説もあり、興味はそそられるが、現代で妻だった上野樹里演じる田村由紀と心との関係がどうなっていくのか気になる。
榮倉奈々の特殊メイクやりすぎ!志村けんのひとみばあさんか
もう一つの見どころは子役たち。第6話で明らかになった真犯人・加藤みきお(安藤政信)の子ども時代を演じている柴咲楓雅のサイコパスな演技は、目が離せません。笑顔が不気味な子どもなんてそうそういないが、彼はそれができる。なんとも末恐ろしい子役だ。
唯一の難は特殊メイク。老けメイクが志村けんのひとみばあさん並みのクオリティーなのだ。とくに榮倉奈々は罰ゲームかというような珍妙さ。特殊メイクを担当しているのは、ハリウッド映画でも活躍する江川悦子だそうだが、凄すぎて日本のドラマには合わなかった。
物語はいよいよ佳境に入る。 3月8日放送の第8話では小学校無差別殺人の当日が描かれる。これは見逃せない。(日曜よる9時~)
くろうさぎ