厚生労働省はきのう3日(2020年3月)、国民生活安定緊急措置法に基づき、マスクメーカーに対してマスク400万枚の売り渡しを指示した。感染が広がる北海道中富良野町と北見市の各世帯に「1日3枚・2週間分」を配布するという。
しかし、マスク不足が深刻なのは医療機関だ。京都府保険医協会が緊急アンケートを行ったところ、「すでに足りていない」と答えた医療機関が4分の1近くあった。今はストックがあると答えた65%の医療機関も、79%は「3月中になくなる」と答えている。
京都民医連中央病院はマスク不足のため、医師や看護師らに1人1日1枚に使用を制限している。京都府保険医協会の鈴木卓理事長は「手術中は絶対マスクがいるので、手術ができないことになってしまいます」と訴える。
大谷院長「極めて深刻です。1月に注文したものが入ってこない」
歯科医院でもマスクは不可欠だが、東京の丸の内帝劇デンタルクリニックは今年1月に注文したマスクがまだ届いていない。一時は備蓄が2、3箱になってしまい、知り合いの医師からもらったりスタッフが持ち寄ったりしてしのいだという。阿部洋太郎院長は「通常500円で手に入れているものですが、ネットの通販で8000円というマスクを注文しました。このままマスクがない状態が続くと休院せざるを得ない」と悲鳴をあげる。
「モーニングショー」が都内の医院に聞くと、「在庫は10日分。ここ数日は医師も看護師も1日1枚。これが尽きたら診察ができなくなります」「マスクの内側にハンカチやガーゼを挟んで、1週間使用しています」「医師は1日1枚だが、看護師などほかの人には洗って使ってもらっています」などの声があった。
在庫数を尋ねると、「泥棒に入られると大変なので答えられない。それぐらいマスクは貴重になっている」と練馬区の医師は話した。
池袋大谷クリニックの大谷義夫院長「現場は極めて深刻です。私も1月に注文したマスクやゴーグル、ガウンすべて入ってきていません」
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「政府がやっていることはとんちんかん。なぜ北海道なのか。優先度は医療機関の方が高い。もうひとつの問題は転売。転売があることによって、買い占めて高く売る人がいます。このような緊急時には、新たな法律で転売や高値売却を禁止すべきだと思います」
岡田春恵・白鴎大教授「まずは医療機関。とくに呼吸器系に優先的にマスクを配らないとダメです。医療が守れないと治療ができません」