新宿2丁目のゲイバー「薔薇と髭と...。」のママ・ヒロコ(深沢敦)から警視庁特命係警部・杉下右京(水谷豊)に「お願い、助けて!ハニーが殺されかけたの」と助けを求める電話がかかってきた。
リゾート開発会社「如月リゾート」社員で店の常連・鶴橋光太郎(細田善彦)が、宿泊施設もあるレストランを買収する契約金の一部の1億円をレストランのオーナーに届ける途中、何者かに後頭部を殴打され、ジュラルミンケースごと強奪されてしまったという。そこでヒロコは、旧知の仲である杉下に捜査を依頼してきたのだ。
1つの小さな嘘から殺人に発展した悲劇の真相が明らかに
杉下と相棒の冠城亘(反町隆史)は、ヒロコと共に入院中の鶴橋に事情を聞きに行く。鶴橋は契約金の運搬は急きょ決まったと言うが、事件現場は人通りも防犯カメラもない場所だったため、杉下は「用意周到に仕組まれた計画的犯行だ」と推理する。事情を知る内部の人間が関わっている疑いが濃厚というわけだ。それを聞いたヒロコは「ハニーは身内の人から殴られたってこと?絶対に懲らしめてちょうだい!」と杉下らにハッパをかける。
杉下らは如月リゾートに行き、運搬を指示した上司の押田らに事情を聞こうとするが、会社側は「こちらは1億円を盗まれた上に、契約まで反古にされた被害者なんですよ」とカンカンだ。と、そこに鶴橋の兄・宗一郎(夙川アトム)が押し掛け、一悶着を起こす。鶴橋兄弟の実家は元々旅館を経営していたが、宗一郎が起こしたある事件がきっかけで如月リゾートに体よく乗っ取られてしまったのだ。
そんな中、人気のない夜の地下道で押田が何者かに襲われ、コンクリートの角に頭をぶつけて殺された。改めて病院で鶴橋に事情を聞いていると、捜査一課の巡査部長・伊丹憲一(川原和久)と芹沢慶二(山中崇史)が乗り込んできて、杉下らを病室から追い出してしまった。
事件の背景には鶴橋兄弟の確執があるとにらんだ杉下は、1つの小さな嘘から殺人事件にまで発展した悲劇の真相を明らかにする。(よる9時放送)