テログループの一味だった法務省キャリア官僚・北見俊哉(上杉柊平)は軍用爆弾の原料となる化学物質トキサミシンを大量に輸入し、テログループがそれを使ってビルを丸ごと吹き飛ばせるほどの爆弾を作り上げた。テロのターゲットは先進国首脳が集まる東京サミットだ。
そんな折りも折り、凶悪犯罪を未然に阻止するための秘密部署「未然犯罪捜査対策準備室」(通称:ミハン)を統括する法務官僚・香坂朱里(水野美紀)が自ら姿を消した。香坂のタブレットには今回のテロに関するデータが残されており、香坂がテログループと何らかの係わりがあることが明らかになった。
そこで、ミハン捜査員リーダー・井沢範人(沢村一樹)は、捜査員の山内徹(横山裕)、小田切唯(本田翼)らに、香坂の過去を打ち明ける。26年前に起きた映画館での無差別殺傷事件の犯人が香坂の父親だったこと、事件の数年前に両親が離婚し、香坂は法務官僚と再婚した母親に引き取られたこと、香坂の弟が事件に巻き込まれたが、観客の1人に助け出されたことなどだ。その弟を偶然救出したのが、後に世界的なハッカーとなりミハンのメンバーに加わった加賀美聡介(柄本明)だった。
テロ事件の裏には法務省や警視庁を舞台とした国家的陰謀が...
警視庁に緊急特別捜査本部が設置され、副総監の指揮のもと、ミハン捜査員たちも正体不明のテログループの捜索に参加した。だが、捜査に進展がないままサミット当日を迎え、各国首脳が続々と会場に到着、会議が始まった。
捜査が難航する中、加賀美は香坂がミハンのコンピューターを使い、海外の紛争地域を渡り歩いてきた元傭兵・里谷隆一(高岩成二)や、爆弾製造のスペシャリスト・諏訪(松尾諭)らについて調べていたことを突き止めた。加賀美は諏訪のパソコンをハッキングして、諏訪が仕掛けた爆弾を無力化することに成功した。だが、諏訪は爆弾をもう一つ製造しており、メールで加賀美を「バカめ。まだ戦いは終わっていない」と嘲笑う。諏訪はしばらく前から密かに小田切を尾行するなど、ミハンの動きを監視しており、手の内を熟知していたのだ。
井沢は捜査の中で、里谷が公安のトップしか知らない「トクマル」と呼ばれる協力者だったことをつかんだ。テロ事件の裏には、法務省や警視庁を舞台とした国家的陰謀が渦巻いていたのだ。井沢には陰謀の黒幕として思い当たる人物が一人いた。
そして、サミット開始から8時間後、小田切らは爆弾の捜索のために侵入したビルの中で、拳銃で撃たれた香坂の遺体と、その傍らに血まみれの拳銃を持って茫然と立ち尽くす井沢を発見した。井沢は逮捕しようとした特殊部隊の隊員らを振り切って逃走する。第1話の冒頭で紹介された衝撃のシーンに至る物語が、いよいよ最終章に突入する。残る3話の驚愕の展開から目が離せない。(よる9時放送)
寒山