悲鳴をあげる男性教師の口に無理やり激辛カレーを押し込む動画が流れ、大問題になった神戸市立東須磨小学校の教師間いじめ事件。21日(2020年2月)、神戸市教育委員会が設置した外部調査委員会が2017年から2019年までの3年間を調査した報告書を公表したが、そこでいくつかの新事実が発覚した。
20代の男性教師Xさんに対し、30代男性教師3人と40代女性教師合わせて4人が行ったいじめ行為は125件。その発端となったのは、30代の加害教師Aが夏休み中、Xさんの体を養生テープで拘束し、教室に放置したことだ。
Aはその後、執拗にXさんへの嫌がらせを続ける。机の上にゴミや氷を置いたり、焼き肉のタレを飲むよう強要したり、熱湯入りのやかんを顔に近づけるなど、その数は89件に上る。
女帝以外にもいた男性教師をいじめる女教師
また、女帝的存在だった40代女性教師Dは被害教師を犬扱いし、「ポチ」と日常的に呼んでいた。
さらに、同小学校では、別の教師間でも問題行為があったことが分かった。2018年6月から7月ごろ、5年生担任である40代女性教師Eが臨時担任である20代男性教師Yさんをいじめていた。「Y先生の授業が分からない」と訴える子どもたちに、Eは「そんなに嫌だったらうちのクラスにおいで」と児童の半数に机ごと教室を移動させた。その後、児童の目の前で「なぜ迎えに来ないのか!」と、Yさんを叱っていた。
また、「プチヒトラー」と呼ばれる前校長の悪質な言動も明らかになった。前校長は周りの教師に対し「死ね」「つぶす」「公開処刑や」「逆らうヤツは辞めさせたる」など威圧的な言動を繰り返していた。Xさんが懇談会の欠席を申し出た時には、「俺を敵に回していいんか。俺のメンツをつぶす気か」と脅した。まるでヤクザだ。
「怖くて相談できない」と当時の教師たちから恐れられていた前校長だが、「頼りがいがある」と慕っていた教師たちもいる。激辛カレーいじめをしていた4人の教師だ。
ヤクザ校長を慕っていた「いじめ教師」4人組
そんな恐ろしい校長がいるなら、教師たちが団結して教育委員会に訴えるなど、手段はなかったのか。教育評論家の石川幸夫さんは「学校自体が完全に閉鎖された社会で第三者の目がまったく入っていない状態です。その中でいくら言葉に出しても伝わらない。またそれを隠ぺいする体質が、教育委員会にもあります」と話す。
REINA(ベンチャー企業役員)「こういう問題が起きたときに徹底的に調べるのが日本。でも、未来に向けてどういう動きがあるのかが定かじゃない。今後の対策、解決策が見えないので、議論が前に進んでいないような気がしてモヤモヤします」
キャスターの立川志らく「こんな悪いことがあったということころで終わっちゃう。今後どうしたらこういう先生が出てこないのか踏み込めないのが現状です」
ピノコ