アメリカ大統領選・民主党候補は大金持ちブルームバーグか若いピートか・・・いや、あの人の大逆転登場あり

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   ついに東京オリンピックを新型コロナの影響で開催できない場合、ロンドンで引き受けるという声が、ロンドン市長選の候補者から出てきた。今回のダイヤモンド・プリンセス号に対する日本政府の対応の酷さが、この発言に結びついたことは間違いない。

   ウソで固めて無理やり招致したため、「汚れたオリンピック」という不名誉な称号までついた東京五輪。IOC委員への賄賂疑惑、原発汚染水はコントロールされている、8月の日本は気候温暖など、口から出まかせのウソ八百は、海外から見れば、信用ならない国と見えるのも当然である。

   そこに、新型コロナウイルスへの対応の拙さが重なり、日本でやる五輪はヤバイという空気が醸成されてきたのだ。猛暑が予想される東京から札幌へマラソンを強引に移させたIOCが、東京五輪は中止といい出す可能性は、ウイルス感染の広がり如何だが、ゼロではないと思う。

   さて、アメリカ大統領選は3月3日(2020年)に、大きな山場を迎える。私は横田増生というジャーナリストに面識はないが、アマゾンやユニクロに潜入したノンフィクションは面白く読んだ。彼は日本人としては珍しい行動力のあるライターである。今度は、1年間アメリカ・ミシガン州の田舎町に移り住んで、大統領選をウオッチするという。

   アイオワとニューハンプシャーの予備選挙が終わった。サンダースの優位は予想されていたが、ピート・ブティジェッジの躍進が目立った。まだ38歳で、サウスベンドという小さな市の市長でありながら、堂々と長老たちと渡り合った弁舌と、みばの良さが票を集めたのだろうか。同性愛者ということもカミングアウトしているそうだ。

   横田は、今回の大統領選の大きな争点は、「保険」だという。左派のサンダースは日本のような「国民皆保険」を政策として掲げ、中道派のピートは、国民に保険を提供するが、個人が持つ保険を維持したい人は、それを選んでもいいという政策だそうだ。

   この背景には、アメリカには高額な治療費を払えず破産する人が毎年50万人もいることがある。だが、国民皆保険の導入は莫大なカネがかかり、大統領になっても、それだけの予算をどうやってつけるのかは、まだ不透明である。

   横田は、トランプ優勢だという声が多いが、そうともいえないという。それは、今回の予備選の投票率の高さだ。有権者の関心が高く、ニューハンプシャーの予備選では、オバマが誕生した2016年の28万人を上回り、29万5000人が投票所に足を運んだそうだ。

   3月3日のスーパーチューズデーに、最後の大物候補であるマイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長(78)が立候補をしてくる。莫大な資産を持ち、今回もテレビなどのCMに多額のカネをつぎ込んでいる。そのためもあって、立候補宣言はしていないのに、民主党有権者の支持率は上から3番目と高い。

   ニューズウイーク日本版は、10年以上前からブルームバーグを追いかけてきたアトランティック誌の記者が、インタビューに答えている。「勝てるか」と聞かれて、「可能性はある」といっている。なぜなら、これまで弾劾にかけられた大統領が選ばれたことは過去1度もない。それに、金持ちのイメージは民主党には似合わないが、誰でもいいからトランプに勝てる候補が欲しいという思いが強いから、彼への期待が高まっていると分析する。

   記者は、アイオワ州の党員集会の数日前にエリザベス・ウォーレン候補に会ったが、彼女は莫大な資金力を武器に主要州での勝負にかけるブルームバーグのやり方を、「民主主義の敵だ」と非難したそうだ。結局、敵がトランプだから、ブルームバーグの莫大な資金力が注目されているので、この2つがなければ私たちもこんな話はしていないと結んでいる。

   民主党は、極左のサンダースでは勝てない考えている。よって、年齢が問題だが、トランプを圧倒する資金力を誇るブルームバーグか、若いピートに絞られるのではないか。私はまだヒラリー出馬の可能性はあると思っている。どの候補も選挙人の過半数を獲得できなかった場合、決選投票は下院に委ねられる。大統領選の仕組みはよくわからないが、そこにヒラリー登場という大逆転があれば、間違いなく勝てる。

映画「パラサイト」ロケ地の貧困街 再開発から一転して観光地へ・・・貧しい住民たちは窮地

   フライデーから2本。アカデミー賞を受賞した「パラサイト 半地下の家族」の影響で、舞台となったソウル市麻浦区には、世界中から観光客が押し寄せているという。ここは、高層ビルが立ち並ぶ富裕層が住む地域だが、ロケ地になった1区だけに70年から80年代に建てられたアパートや半地下住宅が密集している

   ソウル市は、そこで住宅建て替えを主とする再開発計画を始めていた。映画が大ヒットし、観光客が急増したため、ソウル市は「再開発より景観を保存して観光客を呼ぶ方が儲かる」と方針を転換してしまったという。当然ながら、住人たちは怒っている。フライデーがいうように、貧困にあえぐ住民たちを主人公にした映画が人気になり、同じ地区の貧困にあえぐ人々が窮地に陥っているとは、皮肉なことである。

   ほとんど忘れられている紀州のドン・ファン怪死事件に動きが出ていると報じている。それも、和歌山県警は「野崎幸助社長の自宅にあった掃除機について聞きまわっている」というのである。この掃除機は、野崎が亡くなる直前に、入籍したばかりの新妻が買ったものだ。フライデーが警察の事情聴取を受けた関係者から聞いたところによると、掃除機から覚せい剤が出たと、刑事がいっていたというのだ。

   さらに刑事は、「いつでも犯人は逮捕できる。公判を維持するための詰めの捜査をしている」と話したそうだ。執念の捜査がたどり着いた先は、新妻か、それとも第三者なのか。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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