新型コロナウイルスで危うくなった「習近平訪日」「東京オリンピック」ついに安倍政権の断末魔

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   ニッポン列島全体が「アベ呪ウイルス」に感染したようである。ついに、ダイヤモンド・プリンセス号の乗客2人が死亡してしまった。新型コロナウイルス汚染が進んでいる船内に乗客たちを閉じ込めたため、不安と情報不足で疑心暗鬼になり、ストレスから免疫力が低下して、多くの感染者が出るのは誰にでも分かることであった。

   週刊文春で医療ガバナンス研究所の上昌弘理事長も、「感染拡大は完全な人災です」と難じ、「船の場合、病人も乗員も下船させるのが、世界のコンセンサス」だと指摘する。日本政府は方針をころころ変え、大量の感染者を出してしまったのだ。世界のメディアは、この対応を厳しく批判している。

    加藤厚生労働相にはリーダーシップも対応策もなく、2月13日(2020年)の記者会見では、「国内では流行していない」という無責任な発言までしたのである。無能なのはもちろん加藤だけではない。森雅子法相がようやく入国規制に踏み切ったのは2月1日だった。しかも、湖北省に滞在していた外国人だけである。日本人の渡航禁止も湖北省と浙江省温州市だけなのだ。

   その理由を経済部記者がこう解説する。「多くの日本企業が中国に生産拠点を持っており、ストップすると、中国以外の需要にも対応できなくなる」からだという。韓国、中国からのインバウンドは激減しており、回復の見通しは全く立たない。

   週刊現代は、このウイルス騒動と消費税値上げのために、日本経済は確実に沈み始めていると報じている。トヨタもユニクロもアシックスも、みんな中国に部品も製造も依拠しているため、ウイルス汚染が長引けば深刻な事態になること間違いない。中国では、春節が終わっても、北京や上海はゴーストタウン化していて、待機を余儀なくされた労働者たちも、することがないそうだ。大和総研によれば、新型コロナウイルスの影響が1年続けば、今年のGDPは0・9%、約5兆円押し下げられると見ている。

   安倍官邸は当初、この中国発の感染騒ぎを「神風邪」と捉えていたそうだ。なぜなら、「桜を見る会」問題で野党はもちろん、与党の公明党からも説明すべきだと迫られ、窮地に陥っていたから、そこから国民の目を逸らせる好機と考えていたのだろう。

   だが、感染対策で後手後手に回った安倍への批判は、支持率の軒並み下落(朝日新聞は39%)という事態を招いてしまった。サンデー毎日は、この新型肺炎は、4月上旬に予定されている習近平主席の訪日も、東京オリンピック開催さえも危うくしていると見ている。安倍政権の断末魔にふさわしい「国難」襲来である。

内閣法違反の疑いも出てきた首相補佐官の「不倫相手」抜擢人事!パワハラ恫喝も録音されてた

   国会質問で「鯛は頭から腐る」と辻本清美議員がいったとき、安倍首相は「意味がない質問だ」とヤジった。自分のことだとは気づかなかったようだ。度し難いとはこういう人間のことをいうのである。

    腐りかけている頭にへばりついている1人が和泉洋人首相補佐官。厚労省大臣官房審議官との「熟年不倫」を週刊文春で報じられ、国会でも追及されている。今週の週刊文春は、和泉が日本医療研究開発機構の役員ら3人を呼びつけた際、大坪に言及した音声を録音したものを入手し、その内容を公開したのである。

   この機構は、安倍が本部長を務める健康・医療戦略推進本部の定める目標に沿った運営をしているというから、安倍の直轄なのだろう。大坪は15年に戦略室の参事官に就任し、機構も併任しているが、「あらゆることについて『全て私を通せ』と言わんばかりの態度」(科学部記者)なので、機構との信頼関係は崩壊寸前だったという。

   そこに和泉が介入したのである。理事長を呼び捨てにし、戦略室と調整して、組織の見直しをしろというのだ。その後、2か月ほど、ちゃんとやっているかどうかモニタリングして、まずいと思ったら、理事などのポストを今の厚労、文科ではなく、他の省庁から持ってくると脅したのである。

   さらに、大坪を機構の室長にするといい放った。その言葉通り、4日後には大坪を次長から室長へと昇格させたのだ。これが事実なら、「補佐官が(首相の=筆者注)伝言・代弁することはあっても、首相の指示もなく『総理に代わって』指揮するのであれば、内閣法に違反する」(明治大学公共政策大学院田中秀明教授)

   年をとって女(どんな女でも)に眩むと始末が悪い。週刊文春の直撃に和泉は「そんなことをいったことはない」と否定するが、最後に、大坪と行った海外出張で、コネクティングルームに泊まったことに関して、「他の部屋ではダメだったのか」と聞かれ、ポロリとこういったそうだ。「近くにいてほしいっていうのはありました」

   さあ、腐った鯛のお頭である安倍首相は、この永田町を巻き込んだ「老いらく不倫」に、どういう決断を下すのだろうか。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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