「感染者の情報をどこまで出すか、という問題があります」とキャスターの伊藤利尋が「コロナウイルスと情報公開」を取り上げた。東京では40代の男性の行動は「10日(2020年2月)、愛知へ新幹線で出張」としているが、愛知県では60代夫婦「7日午後8時7分発、名古屋特急ミュースカイ2号車に乗車」と時刻と号車名まで出している。
30人の感染者が確認されている韓国ではどうか。韓国保健福祉省のホームページには、「性別・年齢、感染経路、感染確定日、入院機関、接触者数」が記載され、たとえば29番目の感染者は「1月26日、ソウル市内の雑貨店を訪問、11時ごろ地下鉄移動、12時ごろマッサージショップ訪問、宿泊施設に滞在し、近くのコンビニ2店とスーパー2店利用」と具体的だ。
感染者が立ち寄ったとされる店舗や商業施設は、「発表から2週間休業して消毒した。現在は通常営業している」と話していた。
街の人は、「これ以上拡散させないために大事なことです」「世界的に注目されているので仕方ありません」とおおむね好意的だ。背景には2015年に韓国国内で大流行したMERS(中東呼吸器症候群)の経験があるのではといわれている。
自治体に問い合わせ殺到「患者の情報教えて」
日本も感染症法で「発生状況や予防に必要な情報を積極的に公表しなければならない」が、「個人情報保護に留意しなければならない」としている。
山田秀雄(弁護士)「韓国の場合は、さすがに行き過ぎかと思いますが、情報公開と保護、そのバランスのとり方が大変難しいですね」
東京都や神奈川県には「陽性患者の住所や立ち寄った場所を教えてほしい」という問い合わせがあり、千葉県では「1日100件超の相談のうち、約半数が陽性患者の個人情報を知りたいという日もある」という。北海道では2例目の感染者について、「道内在住の50代男性」としたが、あまりにも広すぎるということで、「石狩地方在住の自営業者」に修正した。
カズレーザー(お笑いタレント)「本当は国が決めるべきだと思いますね。そうしないとバラバラ過ぎて。基準をはっきり決めた方がいいのでは」