漫画家のおおひなたごうさんは6日(2019年2月)に、京都市内の地下鉄通路に落ちていたパック入りのカニの画像を投稿したら、ストーカーが仕掛けたワナだった。「道端に意外なものを置くことで写真を撮らせて、ストーキングする相手のSNSアカウントを特定するっていう方法だよね」というリツイートがあったのだ。
投稿された画像をよく見ると、通路の奥に隠れるようにして撮影者をじっと見ている不審な人物が写り込んでいた。ツイッターには、この人物こそがカニを置いてワナをしかけた人物と見られている。おおひなたさんは「思いも寄らなかったので、ゾッとしました」と驚いている。
アカウント探索機能使って住所など個人情報盗み
デジタル犯罪に詳しい埼玉県警捜査一課デジタル捜査班の元班長・佐々木成三さんは、「SNSストーカーの手口です」という。撮影者が画像をSNSに上げると、アカウントを探す探索機能を使って特定し、その投稿内容を片っぱしから見て行動範囲や住所、個人情報を盗むという。
画像投稿でストーカー被害にあった女子高生は、制服まとめサイトで学校を特定され、部屋から見える風景に写り込んだ建物をGoogleストリートビューなどで検索され、自宅マンションを知られてしまった。
画像に写り込んだマンホールの番号や絵柄、電柱に記された電柱番号や住所、近くの建物の形などもヒントになってしまう。対策は「SNSを非公開にしてフォロワーのみにしか見えないようにする」「自分の生活圏で撮った写真はSNSに上げない」などしかないようだ。
不特定多数を対象にストーキング
佐々木さん「かつては、好意を持った人物をストーキングしていましたが、SNSを使った犯罪者は、私たちの想像を超えていて、一般的ではないことをします。今回のカニの場合は、不特定多数の人を狙っています。その中に好みの女性がいれば、ストーキングにつながる可能性もあります」
キャスターの立川志らく「異様な世の中です。でも、道ばたにカニあったら撮りますか?」
山田ルイ53世 (お笑い芸人・作家)「軍手やったら、撮らないけど、カニやったら撮る。みんなSNSのネタに飢えている。こんな面白いのあったら、『つぶやかな!』って強迫観念があるんです」