【新連載】バラエティー番組のレジェンド細野邦彦さんが私の師匠だった

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   私のテレビの番組作りにおける師匠である細野邦彦さんは、日本テレビのバラエティー番組のレジェンドです。「テレビ三面記事 ウイークエンダー」という番組を覚えておられる方もおられると思いますが、細野さんは、誰もが見たがる下世話なテーマを音楽やグラフィックデザインを駆使して、かっこ良くみせる天才なのです。

   私は就職活動で映画会社を志望していましたが、残念ながらこの年は採用がなく、たまたま自宅でみた「ウイークエンダー」に不思議な魅力を感じ、日本テレビで番組をつくるなら、細野さんの下でやってみたいと思ったのです。

   日本テレビに入社して細野班を希望したのですが、試されていたのか、冷たくされました。他の新入社員が細野さんのベンツで食事に連れて行ってもらっているのに、自分だけ置いてきぼりでした。それでも細野さんの下で......と希望を出し、めでたく配属になったのですが、与えられた仕事は番組作りからは程遠く、1年間は伝票処理ばかりをさせられました。

   「東急電鉄に入ったら、最初は切符きりの下働きからなんだ!」というのが細野さんの口癖でした。

口癖だった「人のやらないことをやれ!他人の真似はするな!」

   結局、私が最初に担当した番組もこの「ウイークエンダー」だったのですが、実際の仕事は、所轄の"サツマワリ"と、現場の"聞き込み"でした。被害者の葬儀などの現場では怒鳴られたりすることも多く、苦労しました。

   番組の司会者は、漫画家の加藤芳郎さん、リポーターの泉ピン子さんは、この番組で有名になりました。現場に一番よくご一緒したのは、漫才師の青空はるおさんで、色々なことを教えてもらいました。

   しかし今にして思えば、この番組でテレビ放送の基本を学ばせてもらったと思っています。"断定していいことと、いけないこと......"、限られた時間の中で、どう表現するのか・・・とても悩みもしました。

   "? 新聞によりますと・・・"からはじまるコーナーや、お色気たっぷりの再現フィルムのコーナーは高視聴率で、この番組の売り物でした。(平均30%以上の高視聴率だったのです)

   「人のやらないことをやれ!他人の真似はするな!」と、細野さんからはいつも言われていました。このことは、今でも私の座右の銘であり続けています。

渡辺弘(わたなべ ひろし)
渡辺 弘(わたなべ ひろし)
1952年生まれ。東京大経済学部卒業。1976年に日本テレビに入社し、制作局CP、ドラマ制作部長として番組づくりの現場で活躍。編成局長、制作局長、取締役報道局長、常務・専務を歴任した。「マジカル頭脳パワー!!」「THE夜もヒッパレ」「「スーパーJOCKEY」「24時間テレビ」などヒット番組をプロデュースした。 現在は「情報経営イノベーション専門職大学」客員教授。映像会社「2501」顧問。
姉妹サイト