メルカリやラクマなど個人間で商品を売買できるフリマアプリで、「出品依存」が問題になっている。症状としては、「常に出品する物を探してしまう」「物を購入する時はいつも『フリマアプリで売れるか』を基準に考えてしまう」「生活に必要な物や家族の物まで出品してしまう」など。
売れる物がなくなると新たに買って出品することもあり、購入資金が足りなくなると、ひどい場合は借金や万引きをするケースもあるという。
トレンド評論家の牛窪恵さんは、依存になってしまうのは「お金のためではなく、商品が売れて購入者に感謝されることで他人から認められたいという承認欲求が満たされるから」と話す。メルカリの実施したアンケートでも、「売れることで承認欲求が満たされる」と回答した人が全体の7割に上った。アプリには「いいね」ボタンや評価機能も付いていて、より良い評価を期待して出品依存に陥ってしまうようだ。
購入しても1回着ただけですぐ出品する「ワンショット消費」
夫と2人で暮らす30代女性は、結婚祝いでもらった加湿器や夫の私物まで無断で売ってしまった。「いらない物を売ってお金にするというのが最初の目的だった」と話すが、今は利益よりも売れることが優先だ。「いっぺんに売れたりすると、歯車がかかったかのように次から次へ売ろうと思い、売るものを探してしまうんです。自分の物を欲しがっている人がいるということが嬉しくなってすぐ反応してしまう」と話す。
購入したものを1回だけ着用して写真を撮影し、SNSに投稿後にすぐに出品する「ワンショット消費」も問題になっている。成城墨岡クリニックの墨岡孝院長は「金銭面や生活面に支障をきたしていてもやめられない場合、買い物依存やSNS依存になっている可能性もあります」と話す。
依存度をセルフチェック――6個以上は危険信号
フリマアプリ出品依存度をセルフチェックしてみよう。当てはまる項目が6~8だと依存度が高く、3~5は予備軍だ。
(1)商品をチェックするためトイレやお風呂などへもスマホを持ち歩く。
(2)アプリを使い始めてから人と会ったり会話したりすることが面倒になった。
(3)フリマアプリに長時間熱中する。
(4)やりすぎを防ぐために自分で作ったルールが守れない。
(5)楽しく利用するはずがイライラしたり落ち込んだりする。
(6)仕事や学校、大切な人よりもフリマアプリを優先したことがある。
(7)ハマっていることを家族や友人に隠したことがある。
(8)落ち込んだり不安になったりしたとき、フリマアプリを使うと安心する。
髙橋知典(弁護士)「普段、外で見てもらえない側面、承認してもらえない部分を(フリマアプリ)で満たせてもらえるから、そこにどんどん居場所を見つけちゃうのでしょうね」
キャスターの立川志らく「いろいろ認めてもらっている人は、こういう状況にはならないんだろうね」