車道を走る自転車に対し、車による嫌がらせが横行している。視聴者提供の動画で見る限りでも、自転車に幅寄せしたり、前に無理やり割り込んだり...。ひどい場合は、割り込んできて急ブレーキをかける、信号待ちしている自転車に前の車が突然バックするなどのケースもあった。
「グッとラック!」の調べでは、自動車ドライバーの8割以上が自転車に対し「イラッとしたことがある」と回答している。その理由は「渋滞中、車の横をすり抜けていく」「急に車道に飛び出してくる」「斜め横断をどこでもする」「当たり前のように信号無視をする」など。ドライバーからすると、ルールを守らない自転車ユーザーへの不満がたまっているようだ。
主婦の80%が「車道を自転車で逆走したことがある」
実際、自転車事故は通勤や配達、シェア自転車などで自転車を使用する人が増えた2016年ころから増えた。都内では、事故件数は2016年には1万1218件だったが、2019年には1万3094件に上った。事故のほとんどは対自動車だ。自転車活用推進研究会の小林成基さんは、事故が増えた理由を「自転車の人も車のドライバーも、自転車のルールが複雑すぎて理解できていない」と話す。
「日本は1970年に自転車は歩道を通行してもいいとしてしまった。そこから50年もたち、車に乗る方も『自転車は歩道』と思いこんでいる。そういうルールは日本だけです。自転車は原付バイクと同じだと思って、自転車と車が同じように譲り合うのが本来あるべき姿」と小林さん。
そのためには自転車側もルールを守る必要があるが、意識は低い。主婦400人を対象にしたアンケートでは、「車道の逆走」をしたことがあると回答した人は320人で、80%にも上った。「これ危ないです。お母さんたちが子ども乗っけているわけでしょう?『すぐそこで右に曲がるからちょっといいじゃない』という感覚が1番まずい。絶対やめてほしい」と小林さん。
では、いくつかルールをおさらいしてみよう。