中国・武漢市からチャーター機で帰国した565人のうち、11人が経過観察期間中にもかかわらず、「やむをえない事情」により帰宅していたことがわかった。他の帰国者はホテルなどに滞在して経過を観察中なのに、なぜ特別扱いになったのか。
帰宅した人は、第1便が1人、第2便が8人、第3便が2人だという。厚生労働省の担当者は「健康状態の確認は続ける」としているが、帰宅理由は明らかにしない。11人の帰宅について、ホテルに足止めされている帰国者は、「驚きました。国にチャーター機を飛ばしてもらって帰ってきたのに、期間を守れないのは残念。われわれもひとかたまりでみられてしまう」と困惑している。
国立感染症研究所ウィルス部の元研究員で白鴎大学教授の岡田春恵氏は、「他の病気にかかったり持病が悪化したりしたケースで、人道上の配慮だと考えられますが、これをやってしまうと、追随する人が出てきてしまう。今後の対応が苦しくなります」と心配する。
だれがどんな基準と法律で判断してるの?
吉永みち子(エッセイスト)「1人はご家族の不幸があったようですが、理由を明らかにすれば、それを使ってみんなが外に出てしまうかもしれないから言えないのでしょうね。何を基準に、だれが判断し、その責任をだれが負うのかということが不明瞭ですよ」
長嶋一茂(スポーツプロデューサー)「フレキシブルに対応していいことと、そうでないことをもう少しきちんと考えた方がいいような気がします」
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「何の法律に基づいてどんな制限をするのかが明らかになっていないことが問題です。クルーズ船で缶詰めになっている人たちとの整合性がとれません」