やっぱり、天海祐希はこういう役がぴったりくる。天海が演じるのは「東都総合病院」脳神経外科のリーダー深山瑤子、女帝である。脚本は林宏司。「コード・ブルー」「医龍」など医療ドラマをけん引してきた脚本家だ。天海と林はあの「BOSS」(フジテレビ系)のコンビでもある。「BOSS」の天海もカッコよかったが、今回もハンサムウーマンだ。
ドラマは、脳外科部長の今出川孝雄(三浦友和)の思惑で脳神経外科に3人の新任医師がやってくるところから始まる。「世界のクロイワ」と天才を自負する黒岩健吾(椎名桔平)。学業優秀で偏差値はトップ、最も難しい医療だからという理由で脳外科になったものの、実技はダメな天然キャラの小机幸子(広瀬アリス)。同僚にも患者にも心を開かない「孤高の天才」西郡琢磨(永山絢斗)。いずれも曲者揃いだ。
古川雄大のバーのマスターもうれしい
超一流の技術と誇りを持ちながらも、どこか不器用でいびつな医師たちの苦悩と葛藤を描くリアル・ドクターストーリーで、「ドクターX」好きの視聴者をターゲットにしているかどうかはわからないが、「ドクターX」を楽しみにしている人なら、楽しめるに違いない。もっとも、あちらほど登場人物のキャラは濃くない。
番組サイトが凝っていて、各話に登場した患者の診断書のようなサマリーが作られている。「サマリー№1 脳腫瘍で性格が一!?」「サマリー№6 3分しか記憶が持たない男」といったように。また、公式ツイッターやインスタグラムなどの宣伝にも力が入っている。
ミュージカル界の貴公子・古川雄大が医師たちのいきつけBAR「カサブランカ」のマスター役で出演しているのも嬉しい。ほかに、『全裸監督』で黒木香を演じ、一躍、注目された森田望智が看護師役で出演。存在感を見せる。
エンディングのダンスは、今さら「逃げ恥」の二番煎じ三番煎じかと引いてしまったが、元宝塚歌劇団トップスターの天海のダンスが拝めるのだから良しとしよう。(毎週土曜よる10時~)