「有名企業サイトそっくり詐欺」が横行している。通販サイトや大手銀行などのホームページにそっくりのページに誘導して、クレジットカード情報やパスワードを盗む手口だ。打ち込まれた個人情報は詐欺グループのパソコンにリアルタイムで表示され、その契約番号とパスワードで本物のネットバンキングの口座にログインして預金を抜きとったり、通販サイトで買い物をしたりするのだ。
東京に住むAさん(27)は、去年11月(2019年)、「第三者による不正アクセスを検知したため、パスワードを見直し、お支払い方法の再登録をお願いします」というメールを受け取った。メールの最後にあったURLをクリックすると、「Amazon」のロゴがあって、個人情報を入力する欄が出てきた。本物と信じ込んでいたAさんは、クレジットカードや有効期限などの情報を打ち込んでしまった。
1か月後、クレジットカード会社から「本人以外がカードを使用している形跡があります。AppleやAmazonからメールが来て、サイトに飛んでカード情報を入力した覚えはないですか」と連絡がきて、詐欺にあったことを気づいた。カード情報は海外の百貨店などで使われ、8万円の被害に遭っていた。
郵便局のキャッシュレス、、PayPayキャンペーンに便乗
こうした詐欺の中でも、とくに被害が多発しているのがネットバンキングだ。警視庁によると、ネットバンキングの被害額は去年9月(2019年)以降に急増している。理由の1つは、10月の消費増税のタイミングでキャッシュレス決済やネットバンキングを利用する人が増えたからだ。
さらに、今月(2020年2月)も被害が拡大する可能性があると専門家は指摘する。郵便局のキャッシュレス決済がスタートし、PayPayが大規模キャンペーンを打ち出すなどのタイミングに便乗し、詐欺メールを送りつけてくる可能性が高いというのだ。
被害を防ぐには、メールに添付されているURLはクリックしないこと。その企業名を自分で検索し、公式サイトにたどり着こう。それが本物の企業から送られてきたメールだとしても、用心に越したことはない。騙されたことに被害に気づいたら、すぐに銀行やクレジットカード会社に連絡する。被害を補てんしてくれる制度がある。
キャスターの立川志らく「私は現金主義だったのに、ほんの2、3日前にクイックペイデビューした。さっそく不安になってしまいました」