香川県が4月(2020年)に施行を目指す「ネット・ゲーム依存症対策条例」は、18歳未満の子どもがインターネットやゲームの依存症になるのを防ぐ目的で、「18歳未満は平日60分まで、休日90分まで」「中学生以下は午後9時まで、高校生は午後10時まで」などと使用の制限を明記している。
この条例の賛否を巡って議論が広がり、高松市に住む男子高校生の渉さん(17)が1月31日、条例の素案に反対する約600人分の署名を県議会に提出した。自らもゲーム好きだと言う渉さんは、「ゲームをたくさんするけれども、進学校に行っている人もいます。その人の取り組み方次第だと思います」と話す。ゲーム時間などは「家庭で決めるもの」とし、ゲームの好きな子どもたちに時間規制をする前に、ゲームやインターネットの企業への規制や働きかけを強くする方が重要だと主張している。
16連射の高橋名人も「頭ごなしの規制ではなく目標にすればいい」
およそ30年前、「16連射」で子どもに絶大な人気を誇ったゲームプレゼンターの「高橋名人」こと、高橋利幸さん(60)も声を上げた。高橋さんは子どもの遊び場が減る中で、ゲームまで規制するのは反対だという。「ゲームはいろんな遊びの中の1つと考えてもらえばいい」といい、頭ごなしに規制するのではなく、さまざまな選択肢を示した上で判断していくことが大切だと訴える。
実は、高橋さんも全盛期、「ゲームは1日1時間」を子どもたちに推奨してきた。「当時、『1日1時間』と言うと、子どもたちの反発がすごかった。でも、『1時間集中して遊べばうまくなるよ』と言えば納得してくれました。条例ではなく、目標値として言えばいいと思いますね」
そもそも行政が口出しするようなことか?
スタジオでも条例には批判的な意見が多かった。弁護士の髙橋知典は小学校高学年から中学生の時、1日12時間くらいゲームをやっていたそうだが、「高校生の時に『これを続けても人生先がない』と気づき、その時間を丸ごと勉強に変えたんです。ゲーム規制をガンガンしていた家庭の人が、いま僕の世代になってずっとゲームをしていたりします。そういう意味で、本人が納得しているかどうかが1番大事です」と話した。
望月優大(ライター・ウェブマガジン編集長)「本質的には、個人の自由なことを制限しようとするって、ポテトチップスも体に悪いけど、1日何袋まで食べていいのかとか、コーラ何本飲んでいいのかとか、結局そういう話に、全部、国や行政が入ってくるようになる」
キャスターの立川志らく「本当そうだよね。塩分取りすぎるからポテトチップスは1袋までって言われたら、『大きなお世話だ!』って思うよね」