2週連続スペシャルの後編。警視庁特命係警部・杉下右京(水谷豊)のロンドン研修時代の相棒だったスコットランドヤード元警部・南井十(伊武雅刀)が2年ぶりに来日した。贖罪の心を持つことができない犯罪者に私的制裁を加えるのが目的で、原宿で男から金品をだまし取る「神待ち」を繰り返す家出少女を転落死させ、日暮里で執行猶予中の麻薬の売人を絞殺し、さらに品川では警ら中の警察官の拳銃を奪って射殺した。
南井がいずれも山手線の駅の近くで犯行を犯していることから、杉下はかつてロンドンの地下鉄環状線の5つの駅で相次いで発生し、南井が捜査を担当した連続殺人事件「逆五芒星事件」との類似点に気づいた。犯行の順番に5つの駅を線で結ぶと5つの頂点を持つ星の形「五芒星」を逆さまにした形が浮かび上がることから、そう名付けられた。「逆五芒星」は悪魔の象徴とされている。東京での被害者も、ロンドンでの被害者の職業などとよく似ている。
それは、南井から杉下への「止められるものなら止めてみろ」という挑戦状だった。南井はまるでチェスの勝負でも挑むように、杉下に対して、どちらの頭脳が優秀かの闘いを仕掛けているのだ。杉下は南井に「絶対にロンドンには帰しません!」と怒りをあらわにする。
杉下は連続殺人犯が狙っているのは相棒だと気づくが...
杉下はロンドンの事件を参考に『第4の殺人事件』のターゲットは池袋近辺にある大学の女性学長だと推理し、警察が女性学長の警護に当たる。だが、それは南井が仕掛けた巧妙な罠だった。
杉下はあることから「南井がこれまでの法則を崩している」と感じ、南井の最終的なターゲットが杉下の相棒・冠城亘(反町隆史)だと突き止めた。杉下は冠城を守るために「特命係を辞めてもらえますか?」と命じ、「これは僕が解決すべき事件です」と宣言する。だが、冠城は納得しない。南井が冠城に連絡して「気をつけろ。犯人が狙っているぞ」と挑発すると、冠城は「やれるものならやってみろ」と応じ、とある地下道で南井と対決する。
南井は「お前では話にならん」と冠城に銃口を向ける。2人がいる地下道に杉下が駆け付けたとき、銃声が響き渡った......。(よる9時放送)
寒山