新型肺炎で沖止めの豪華船 「もう封じ込めは手遅れ」「船から降ろしてはいけない」と専門家

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   きのう3日(2020年2月)、横浜港に到着した豪華クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」。先月乗船していた香港の男性乗客が新型コロナウイルスに感染していたことが判明したため、きょう4日になっても接岸できない。船には検疫官ら30人が乗り込み、夜中から乗員乗客3500人に検疫を実施中だ。クルーズ船は2月1日に沖縄・那覇に寄港した際に一度検疫を行っている。再検疫というのは異例の事態だ。

「全員のウイルス検査は困難。封じ込め段階は終わった」

   コロナ感染が判明したのは香港の80歳男性。1月10日に中国広東省深?に4時間滞在。17日に空路で東京入りし富士山観光。19日にせきの症状が出たが20日にダイヤモンド・プリンセスで横浜を出発。25日に香港で下船した。その後30日に発熱、1日にコロナ感染が確認されたが、現在容体は安定している。感染経路は不明で、深?、香港、日本のどこで感染したかはわかっていない。

   香港を出港したダイヤモンド・プリンセスはその後ベトナム、台湾、沖縄に寄港し、横浜に戻ってきた。

   香港男性のコロナ感染は日本でも2月2日に報道されていた。しかし船内放送は3日午前8時半。家族や友人からのLINEで先に事態を知った人も。それまでは船内でマスクをする人も少なく、食事はバイキング形式。多くの乗客が顔を合わせる状況だった。

   乗客のうち10人が発熱や体調不良を訴えているほか、2月1日に沖縄で下船した一人が発熱している。検疫では3500人全員を検温。せきや熱のある乗客にはウイルス検査を行うが、無症状の人は帰宅し2週間の経過観察となる。

   感染症学が専門の岡田晴恵さん(白鴎大学教授)「体調不良の10人が心配。無症状や潜伏期間中の人を考えると、本当なら船から降ろしてはいけない。船は閉鎖空間で人と接触することが多く、濃厚接触者の特定は難しい」

   玉川徹(テレビ朝日解説委員)「全員のPCR検査(ウイルスの遺伝子検査)をしないといけないのではないか。1人1万円で3500人だと3500万円かかるが、マンパワーや費用など可能な状況ではないのか」

   青木理(ジャーナリスト)「豪華客船は隔離には最適。できることを全部やるというのであればPCRを全員にやっていただきたい」

   岡田教授「潜伏期や無症状の方が帰宅して家族にうつすかもしれない。検疫は限界があるので、すでに検疫から医療体制へと思考を変えていく時期かもしれない」

文・みっちゃん

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