夫や子ども以外の人とは交流できないという「ひきこもり主婦」が全国で3万人以上いるといわれている。もう10年以上ひきこもっている神奈川県のAさん(50代)を尋ねた。夫と2人暮らし。家族以外の人と話すのは3年ぶりという。
「1人では外出できないので買い物は週1回、主人に連れて行ってもらいます。美容院も夫と一緒で半年に1回。食事はシチューばかり作っています。いろいろな材料を同時進行できないのです。家では、1日中、寝室で寝転がるか、ネットサーフィン」と話す。
買い物や美容院も夫と一緒じゃないとダメ
ひきこもりになった理由は、友人との些細なトラブルだった。人間不信になり、自宅を出られなくなった。いまはウツ病も発症し、心療内科に通っている。
埼玉県のBさん(30代)も夫と2人暮らし。「具合が悪いとすぐ『死にたい』という気持ちになります」。きっかけになったのは、「パートに出てレジ打ちをしていたとき、カスタマーハラスメントに遭い、その客への恐怖心から仕事に行けなくなったのです」
2人とも夫が協力してくれたが、離婚や貧困に進むことも多いという。
キャスターの立川志らく「一番は対人関係でしょうか。治すことは可能なのでしょうか」
ひきこもりに詳しいジャーナリストの池上正樹さんは「人とつながるきっかけができるとか、自分の不安を払拭できるように、つながっていけば」と話す。
池上さんによる「ひきこもり主婦度チェック」がある。次の6つのうち、いくつ当てはまるか。
「結婚を機に仕事をあきらめざるを得なかった」
「人から頼まれると断ることができない」
「買い物はネットばかり」
「自宅での食事で同じメニューが続くことが多い」
「ポストに郵便物がたまっている」
「美容院にいくのが億劫だ」
2つ当てはまると、「ひきこもり主婦になる可能性あり」。2つ以上あった人は「自治体への相談や、共通の悩みを持つ人との集まりなどに参加すること」、周りの人は「プレッシャーをあたえないで、悩みを聞いてあげる」ことだという。