新型肺炎の感染拡大で日本の国内経済にも深刻な影響が出てきた。東京・浅草の箸専門店では、「(中国人観光客は)2割か3割ぐらい少なくなっていると思います」と話し、着物や茶道を体験できる店も、「1月(2020年)末から2月の時点で4割減ぐらい。100万~150万円の損失です」と語る。
飛騨高山でも、春節の時期はかき入れ時だが、大型バスの駐車場も空車が目立つ。地元住民によると、例年の半分程度。飛騨牛を食べさせる観光施設でも、「急なキャンセルによって、新鮮なしゃぶしゃぶ用の肉をしぐれ煮にしなければいけなくなってしまう」と頭を抱えている。
当の中国人観光客は「何も話したくない」と口をつむぐ
観光地だけでなく、東京の高島屋百貨店でも、「免税品の売上額は、前年の春節の期間と比べ1割強のマイナスといい、静岡県浜松市のホテルも、「2~3月の宿泊予約は約3000人キャンセル」という。
全日空の予約状況(2020年1月末)は、日本を出発する便は4割減、中国を出発する便は半減という。
中国人観光客に聞くと、「旅行についてならいいけど、新型肺炎については答えません」「国の政策に関わることはいいたくないです」と多くを語らない。
経済の影響について第一生命経済研究所主席エコノミストの永濱利廣氏は「旅行関連・インバウンド関連の影響が大きく、2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の時はGDPが約600億円マイナスだったが、今回は(5倍以上の)約3400億円マイナスではないか」とみている。
司会の小倉智昭「2003年に比べると、中国人の行動力ははるかに広がっていますからね」
中国の研究チームは今後について、「感染状況は10日から2週間ぐらいがピーク」と説明しているという。
司会の小倉智昭「この予測、どう思いますか」
丸田佳奈(産婦人科医)「国によって違うと思いますが、中国・武漢市ではもうちょっと、かかるかなと思います」
小倉「とにかく、しばらくは目を離すことはできない状況かも知れませんね」