映画初出演「ローマングリフィンデイビス」11歳のナイーブさ必見
ラストシーンで飛び込んできたのは、前髪を揺らすジョジョの色気と健やかさ、ニヒリズム、それでも前を見据える瞳の輝きだ。瓦礫の中でリズムをとる姿に、完璧なハッピーエンドでなくても、多分この子は大丈夫、と自然に思えた。
ジョジョの母を演じたスカーレット・ヨハンソンも、脚本・監督・演者を同時に務めたタイカ・ワイティティも素晴らしかったが、いちばんの衝撃はジョジョを演じたローマン・グリフィン・デイビスだ。映画初出演の11歳が見せたナイーブで聡い愛国少年の葛藤、とりわけ気付きたくなかった真実から目を背けようとする狡さ、でもそれを看過できない自分との間の揺れ動きは必見だ。
おすすめ度☆☆☆