去年(2019年)の大晦日に離婚したタレント・木下優樹菜のインスタグラムの投稿を「縦読み」(投稿文の文頭の文字だけを上から下に読んでいくこと)すると、「たかし あいしてる ずーーっと」と読めることが、不倫発覚のきっかけだった。これを発見したのは、「鬼女」と呼ばれる人たちで、ネット上の情報から、写真が撮られた場所や個人情報を特定し、「日本のCIA」とも呼ばれる調査能力を持つ。
「たかし あいしてる」の解読から、「たかしは誰?」という大捜索が始まり、過去にテレビ番組で木下のファンであると公言していたスポーツ選手の名が挙がると、「有名スポーツ選手のインスタでも"ゆきなだいすき"と読めるコメントがある」「選手のインスタ投稿に写っていた帽子・タオル・ブランケットと似たものが木下のインスタにも写っていた」など、次々と傍証が発見されていく。
「お金のかからないヒマつぶしよ。嫌われている人を追い詰める」
ネットニュース編集者の中川淳一郎氏によると、「鬼女は、ネット上の疑惑、スキャンダルの点と点をつなぐ人で、もともとは匿名掲示板の中の既婚女性が集まる掲示板に投稿していた人たちです。既婚女性→既女→鬼女と転じていったんです」
鬼女の調査は、芸能人のスキャンダル以外もある。五輪エンブレムの盗作問題でも、過去の作品を調べるなど鬼女も関与していた。最近まで鬼女として活動していた女性は、女性アイドルとJリーガーの熱愛を特定したことがあるという。「ゲーム感覚です。パズルが完成するとテンションが上がるような感覚。お金のかからないヒマつぶしです。世の中が騒ぐと、自分が求められているというカタルシスもありました。ターゲットになりやすいのは、潜在的に嫌われていた人で、やっと叩けるから追い込め!みたいな感じで特定していきます」