中国・武漢からの帰国希望者206人を乗せた第1便は、28日(2019年1月)午前8時半過ぎに羽田空港に到着、「モーニングショー」は放送時間を延長して生中継を交えて伝えた。機内で発熱とせきの症状が出た2人以外は、医療機関で検査を受けた後、「入院が必要ない」と判断された場合は帰宅する。
衛生学・ウイルス論に精通する医学博士の中原英臣さんは、「帰ってきた方を直接家に帰すのは極めて危険です。帰ったとしても、自らを隔離しなくてはいけない。でも、素人は自ら家族と接触しないようにするノウハウはない」と警告する。
国立感染症研究所ウイルス部の元研究員で白鴎大学教授の岡田晴恵さんは、「もし私が担当だったら、ホテルを丸ごと1棟、2棟借り上げて、そこで対応をします。そうすれば経過観察もできます。帰国者のメンタル的にもその方がいい」という。
SARSより強い感染力!潜伏期間中でもウイルスまき散らし
岡田教授は「SARSの場合は(感染者は)発症後3~4日からウイルスを出していたので、検疫も隔離も可能でした。しかし今回は、潜伏期や病気の初期段階からウイルスを出すので、検疫では止めることが難しいんです。したたかなウイルスです」と話す。
感染者と非感染者の接触を断つことしか感染拡大を防ぐ方法はないわけだが、まだ武漢に滞在中の20代の日本人男性は、「いま健康でも、潜伏期間中かも知れない。検査で発症前に分かればいいが、そうでないなら、フランスのように隔離してほしい。自分が原因で感染が広がることは避けたい」と話している。
男性によると、武漢に残っているほほかの日本人たちのほとんどが、帰国して日本に住む家族への感染を恐れ、隔離してほしいと願っているという。この男性は「国の方で対応できないなら、所属先と相談して場所を手配してもらうつもりです」と話している。
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「民間のホテルでなくても、国関係の宿泊施設だってあります。そこを借り上げて、650人の方々に対し、政府が責任を持って保障をするべきです。『帰っていいですよ』っていうのは『自分の責任でやってください』ということ。それは違う」
岡田教授「救出はしたけど、国内に入ったらそのまんまというのはいかがなものでしょう」