新型肺炎問題で、日本政府は今日(2020年1月28日)中にも中国・武漢にチャーター機を送り、在留する日本人のうち希望者全員を帰国させる方向で調整している。
帰国者たちの対応はどうするのか。東京都の場合、感染または感染の疑いがある人は、空気を漏らさない病床を持つ指定病院に救急車で搬送される。一方、検査の上うえ感染の疑いがない人は、空港から直接帰宅し、ウイルスの潜伏期間である2週間だけ自宅待機となる。
フランスの場合、武漢からの帰国者は全員、2週間は専用の受け入れ施設に滞在させる計画だが、日本の対応は十分なのか。
旅行医学が専門の久住英二医師は「日本ではすでに感染者が出ているので、帰国者だけ隔離しても仕方がない。何しろ、無症状の患者さんがいるということが分かっているのですから、症状のある人だけ入院させても物理的な封じ込めはできません」と話す。日本には中国人観光客などすでに多くの感染者が入ってきているので、武漢から帰国する邦人だけ隔離しても意味がないというのだ。
フランスでは帰国者は全員専用施設に2週間滞在する
また、元WHO(世界保健機関)西太平洋地域事務局長の尾身茂さんは「新型肺炎が指定感染症に指定されたことで、国が積極的にフォローすることになった。帰国者にはなるべく外出を控えてもらうと同時に、国が帰国者を濃厚接触者として積極的に調査し、具合が悪くなった場合には行動を起こすのが合理的です」と話す。
しかしスタジオでは日本の帰国者への対応が不十分だという声がめだった。
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「運がよければ感染は広がらないでしょう。自宅に帰った帰国者がずっと外に行かないのならいいけれど、職場に行くなどして色々な人と接触すると思います。運が悪ければ感染が広がります」
菅野朋子(弁護士)「人権は大事ですが、国民全体の利益もあります。感染者がすでに入っているから(隔離は)意味がないというのは、統計的なもの。感染してしまうかもしれない一人ひとりの問題としては重要だと思うので、日本の対応はもうちょっと厳しくてもいいと思う」