<霜降りバラエティー>(テレビ朝日系)
芸人たちが体を張ったお下劣なゲームの数々。気持ち悪すぎるが、応援したくなってきて心が温まってくるから不思議

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   M-1王者の霜降り明星がMCを務めるバラエティー番組。今回の企画は平均年齢39歳のR-1芸人とお笑い第7世代がガチンコバトルを繰り広げる。両チームジャージ姿に着替え、深夜ならでは体を張ったお下劣なゲームがスタート。

   まずは電気がビリビリ流れる2人羽織をしながら、どれだけ熱々のカレーうどんを食べられるかを競う。実に古典的な笑いのゲーム。芸人たちはみな体育会系部活のノリだ。そしてとにかくMCの霜降り明星、粗品が言うことがくだらない。これだけでもう少し笑える。小森園ひろしと粗品の二人が一番目。電気が痛いらしく弱る小森園のせいで粗品は全然うどんを食べられないコロコロチキンペッパーズのナダルと四千頭身、後藤。電流を流され痛がる後藤を尻目に、ナダルが無表情、無言でうどんをひたすら食う。

   ナダルが終始普通なのが怖い。「カービィー並みの吸引力!」と言われながら無言でうどんをすすり続けるナダル。次はおいでやすの小田と三浦マイルド。しかし小田に電流が流れず、もはや二人羽織になっていない事態が発生。電流のチップが外れている。うどんを食べているだけの三浦マイルド。最終的にもはや手も使わず、犬食い状態で自分の顔だけでうどんを食べ続ける。うどんをそのまま2杯も食べ、失格に終わる。ハゲのおっさんがうどん食べただけ。その結果に爆笑が起こる。

   続いてゲームは、おでこに吸盤をつけて綱引きをする吸盤綱引きに突入。おでこに吸盤の内出血の跡が残り、悲惨な見た目になることから、一度はビビりまくる芸人たち。しかし賞金が出ること、どの芸人もそもそも仕事がなくて休みだから、大丈夫!という悲しい理由で、R-1芸人たちはこぞって綱引きに参加したがる。「これで光熱費払える!」と言って喜ぶR-1芸人。綱引きの内容より生活がカツカツの芸人たちが切なすぎる。

二人一組の唇だけでビー玉を運ぶキスリレーがエグすぎる

   最後のゲームは二人一組になって唇だけでビー玉を運ぶ、ビー玉リレーが始まる。いかに早くビー玉を落とさずにゴールするかで勝敗が決まるこのゲーム。ゲームに勝てば200ポイントがもらえ、今までのゲームの勝敗がまったく関係なくなる。

   「コンビでやるのはちょっとエグイ!」と言い放ったナダルが言う通り、恐ろしい絵面のゲームがスタートする。中年のおっさん芸人同士が必死でキスをし合いビー玉を運ぶ様子は深夜じゃないとモザイクをかけたい程、本当に気持ちが悪い。気持ち悪すぎる企画だ。やっている芸人本人たちも「気持ち悪い!口臭い!」「もうできない!」を連呼する。

   皆中二病の男子学生のような謎の盛り上がりだ。そして次第にこんな芸人たちの姿を見て、なんだか応援したくなってきて、心が温まってくるから不思議だ。本気でキスを嫌がる霜降り明星、せいや。深夜枠の醍醐味を思い知る。芸人はM-1で優勝してもまだまだこんなものである。もっとめちゃくちゃなことをどんどん深夜枠でやっていただきたい。そしてゴールデンタイムでもテレビは頑張って欲しい。勝負はお笑い第7世代チームが優勝したが、そんな結果はもうどうでも良い。「テレ朝の株が下がる!」と叫んでいたが、これこそ今のテレビに欠けているもののように感じた。
(放送2020年1月17日深夜1時56分~)

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