第1話の視聴率は19・1%と好スタートを切った。美濃の守護代・斎藤道三(本木雅弘)に仕える明智家の光秀(長谷川博己)は、堺で鉄砲を手に入れ、病の床に臥せる道三の正室・小見の方(片岡京子)のため、京の名医・望月東庵(堺正章)と助手・駒(門脇麦)を連れ、意気揚々と美濃に帰って来た。
しかし、そのとき尾張の織田信秀(高橋克典)の大軍が道三の居城・稲葉山城に迫っていた。戦仕度を整えた光秀は、家臣の藤田伝吾(徳重聡)らとともに、城下の井ノ口で織田勢に突入し、激しい戦闘を繰り広げる。
だが、兵の数で優位に立つ織田勢に道三の出城は次々と落とされ、道三は稲葉山城に籠城する作戦に出た。光秀たちが城に戻ると、東庵や駒が懸命に怪我人の治療に当たっていた。敗色濃厚だ。
光秀や道三の息子の高政(伊藤英明)は籠城に反対するが、道三には確かな勝算があった。敵の弱点を調べ上げ、好機到来を待っているのだ。
城内に忍び込んだ間者をダマシて背後から急襲
織田勢はついに稲葉山城の門前まで押し出してきた。夕刻となり、城内に忍び込ませていた間者から、兵たちに酒が振る舞われているという情報が入った。「道三はもはや負けを覚悟した」と信秀は読み、翌朝に総攻撃を仕掛けるとして、いったん兵を本陣へ引き揚げさせようとした。
道三はこの時を待っていたのだ。直ちに「門を開け!」と命を下し、引き揚げる織田勢の背後から襲いかかった。道三は間者が潜り込んでいるのは承知で、兵たちに酒と見せかけて水を飲ませていたのだ。信秀は何千もの兵を失い、ほうほうの体で尾張に逃げ帰った。
これが世に言う「井ノ口(加納口)の戦い」で、後に尾張と美濃が和睦を結び、道三の娘・帰蝶(川口春奈)が信秀の嫡男・信長(染谷将太)の正室・濃姫として輿入れするきっかけとなった。(日曜よる8時)
寒山