宮崎・高千穂峡の観光協会が運営する見物ボートの乗船料が、大幅値上げされ、予約制になる。押し寄せる観光客を制限するためだ。日本の滝百選にも選ばれた「真名井の滝」など峡谷の両側からが水が流れ落ち、「一面に自然が広がり、幻想的な光景です」(大川立樹アナ)という高千穂峡は、神話の舞台でもある。
国内、海外から年間140万人の観光客が押し寄せ、トップシーズンは峡谷に据え付けられた通路はラッシュの駅頭のような混雑となり、周辺道路は大渋滞する。地元の住人たちは、買い物の出かけるのにも支障が出るほどだ。観光客もボートに乗るまでに9時間待ちで、「せっかくきたのに」不満たらたらであきらめて帰る人が後を絶たない。
オーバーツーリズム対策
このオーバーツーリズム対策の一つが貸しボートの値上げだ。現在は1艇2000円だが、これを基本料金3000円、乗船1人当たり1000円にするという。3人だと2000円から6000円と3倍の値上げである。さらに、予約制にするという。
神奈川から来た観光客はこう話していた。「率直に言って、高いなあ。(観光客が)少なくなって、ゆったりできるなら、予約制もいいのかなあとは思いますけどねえ」
ひっそりと静かに水の音だけが聞こえてくるところが魅力の高千穂峡が、人だらけというのでは、わざわざ行くほどのところではなくなってしまう。いっそ、ボートをやめてしまってはどうか。
カズキ