記録的な暖冬で野菜が安い。葉もの系を中心に例年の半額というのもある。にもかかわらず、売れていない。司会の羽鳥慎一は「暖かくて、適度に雨が降って、野菜が育つんです」
高木美保(タレント)「美味しいものを安く食べられるんですけどねえ」
東京・豊洲市場の仲買の岡本光生さんが解説した。「乾燥注意報を聞かないでしょう。鍋の回数が確実に減っているうえに、鍋の具材の種類が減っています。それに、いくら安くても、(野菜は)買うのは必要量だけ」
全国の小売店の販売価格調べ(農林水産省)でも、値下がりの第4位は大根で37%、3位が白菜で42%、2位がキャベツで半額、値下がりが一番大きいのはブロッコリーで50%以上だった。
岡本さん「煮物もやらなくなりましたね」
高木「めんどくさいんですよ」
とんかつ屋はキャベツが安くて大喜び
しかし、これで喜んでいるのがマヨネーズ・ドレッシング業界だった。サラダが増えて、売り上げが増えた。キャベツが安くてとんかつ屋さんは助かっているらしいが、ユーザーも、野菜スープやピクルス作りとか、新しい食べ方が広がってもいるらしい。
農家は泣きだ。大根は大きくなりすぎて規格の段ボールからはみ出してしまう。輸送コストがかかるんなら廃棄しようとしても、大根は厄介だ。レタスや白菜はブルで潰せるが、大根は全部引き抜かないといけない。人出不足も関わってくる。
早く育ちすぎるといろいろ妙なことが起きる。長野の市場にはすでにフキノトウが出たという。例年より1か月早い。高知では1か月も早く、タケノコが15~20センチになったそうだ。岡本さんは「産地リレーが途切れる恐れがある」という。
産地リレーとは、各地の寒暖差によって、同じ野菜が順番に出回ること。暖冬で一斉に成長してしまうと、一度に出荷して、その後途切れてしまう可能性もある。今のところ、小松菜がそうなる可能性があるそうだ。
高木は農業に詳しい。「暖かいからと、次の種を早めに撒いちゃうと、寒の戻りが怖い」
イチゴやアスパラは、成長が早いと糖分を蓄えられずに甘くないものになる。これが規格外とされると、品薄で高値にもなりかねない。米作地帯では山に雪が少なく、田植えの時の水不足が心配され出した。