現金が使えないデジタルマネー時代がやって来た!買い物も給料もお小遣いもスマホ決済

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デジタル通貨を進めるEU、中国・・・日本は出遅れ

   スウェーデンでは教会の寄付も有料公衆トイレもデジタルマネーだ。現金を使う人が減り続け、流通量は経済規模の1%余りまで下がっている。便利になった一方で弊害も出ている。その1つが、アプリを使いこなせない高齢者や高価なスマホを持てない人たちが少なくないことである。デジタルマネーの決済に欠かせないインフラの問題もある。北極圏に近い地域では、雪による停電や通信障害が頻発する。

   スウェーデン中央銀行は法定通貨クローナを電子化したデジタル通貨「e-クローナ」の発行を考えている。国がその価値を保障して、誰もが利用できるようにするのが狙いだ。スマホがなくてもキャッシュレスで決済ができる小型チップの技術も研究している。

   e-クローネ構想を急ぐのには、フェイスブックのザッカーバーグCEOが打ち出したデジタルマネー「リブラ」計画が背景にある。27億人のユーザーが中央銀行を介さないリブラを使うようになれば、中央銀行は国内のお金の流れがつかめなくなり、景気や物価をコントロールする金融政策が効果を失いかねない。

   リブラ構想に危機感を強めているのはスウェーデンだけではない。中国、カナダ、EUなどがデジタル通貨を構想している。木内氏は「通貨覇権問題も実は絡んできている」と指摘する。日銀審議官を務めていた木内氏によると、日本はデジタル通貨に慎重で、向こう5年間はデジタル通貨は必要ないとしているアメリカと足並みをそろえているという。「もし、アメリカがデジタルドルを発行すれば、日本もデジタル円に向かう。今からしっかり設計を考えておく必要がある」と話した。

NHKクローズアップ現代+(2020年1月21日放送「社会が激変! デジタルマネー革命」)

文   バルバス
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