東都総合病院の脳外科医・深山瑤子(天海祐希)は、新たに着任した3人の脳外科医の「まとめ役」に指名され、いずれも個性が強く、協調性ゼロで手を焼いていた。世界一といわれる腕を持ち、女グセが悪いことでも有名な黒岩健吾(椎名桔平)、3度のメシより手術が好きで、天才を自称する西郡琢磨(永山絢斗)、医学部を首席で卒業したが現場ではヘマばかりする研修医の小机幸子(広瀬アリス)だ。
そんな脳神経外科に、自宅の3階から転落した桑原和子(濱田マリ)が搬送されてきた。桑原はこの2カ月間に3回も自殺未遂騒ぎを起こしていた。担当医となり、「俺は自殺志願者の頭を直しに来たんじゃない」「死にたい奴は死ねばいい」と突き放す西郡を、「患者は責任を持って診なさい」と深山は厳しく指導する。
桑原は10年前から、我慢できずに暴れてしまうほどの顔面の激しい痛みに襲われていたが、どこの病院でも「精神的なものだ」と片付けられて、痛みと失望感に耐えかねて自殺未遂を繰り返していたのだった。
精密検査の結果、三叉神経が何らかの原因で刺激され、激しい痛みを引き起こしていることが判明した。手術で完治する病気だが、西郡はなぜか乗り気ではない。桑原がふと漏らした「痛みは誰にも分からない」という言葉を、以前勤務していた病院でも患者から言われ、自信を無くしていたのだ。
「この病院の脳外科医に付きまとわれているんです」
そんな時、深山は外来の女性患者、牧羽由香里(松本若菜)から、「この病院の脳外科の医者につきまとわれて困っている」と訴えられた。脳外科医たちの集合写真を見せると、黒岩を指さした。
「身に覚えはないの」と問い詰めると、黒岩は「ある」という。しかし、黒岩とすれ違っても牧羽はなんの反応しなかった。ところが、西郡を見ると立ちすくみ、西郡も顔を背けて立ち去った。黒岩と西郡と牧羽の間に大きな秘密があるらしい。(土曜よる10時)
寒山