琵琶湖の湖面に立つ鳥居がインスタ映えすると、滋賀県の白髭神社は年間15万人の観光客が来る人気だが、そのため困ったことが起きている。映像を撮るために、湖畔に下りようと、信号も横断歩道もない国道を強引に渡る人が絶えないのだ。
観光客が横断する国道161号は、近畿と北陸を結ぶ大動脈で交通量が多い。とくに、鳥居周辺はスピードが出やすい箇所でもある。ただ、1番近い横断歩道は1.4キロも先なので、国道を渡りたくなるのもわからぬではないが、この5年間に24件の事故が起き、死亡者も出ているのだ。
警察は、日本語、英語、中国語で注意を呼びかける看板を設置し、危険を訴える音声も流したが、効果はない。白髭神社の梅辻春樹宮司は「なんかいい方法ないですやろか。教えてほしいです。安心安全のためには地下道を作るとか、歩道橋を作るとか、信号を作るとかしないと」と困り果てている。
杓子定規な滋賀県警「横断歩道を設ける条件になっていない」
なぜ横断歩道や信号を設けないのか。「モーニングショー」が滋賀県警に聞いてみると、2つの理由を挙げた。1つは「横断歩道は歩道から歩道に渡るためのもので、湖側に歩道はない」ということ。2つ目は「神社前はカーブで見通しが悪いため、横断歩道や信号を設置すると、より危険になる」ということだ。また、神社は個人のものなので、税金を使う必要があるのか問われるという。
浜田敬子(「ビジネスインサイダージャパン」統括編集長)「日本が観光立国として売り出して、インバウンドのお客さんもどんどん来てくださいというならば、行政も含めた政策の整合性をとらないとねえ。結果的に人が増えてしまったのだから、安全に渡ってもらうためには、多少いままでとルールは違っても対応しないといけませんよ」
司会の羽鳥慎一「『横断歩道とは』という定義に合わせるのではなく、現状に合わせる方が自然です」