中東危機、日本は仲介役になれるのか? 自衛隊派遣の前にやるべきはアメリカの説得では

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   イランをけん制するため、ホルムズ海峡に艦船を派遣する有志連合に参加するようアメリカから要請を受けた日本。イランとの関係に配慮する日本は、これには参加せず、あくまで独自に派遣するという形をとった。

   中東を歴訪中の安倍晋三首相は、オマーン湾やアデン湾で活動予定の自衛隊派遣への理解を求めるため、親米国のサウジアラビア、同じく新米国のアラブ首長国連邦を訪れた。きょう14日(2020年1月)には米国とイラン共に友好国であるオマーンを訪れ、理解と協力を求める予定だ。

   政治ジャーナリストの田崎史郎氏は「イランには『アメリカとは一体ではない』と顔立てし、アメリカには『役割を果たしている』と示した。非常にうまい動きだ」と評価。不安定な時期に自衛隊派遣することの意味については「危険度が高まっている地域で日本の船をどうやって守るのか。ほかの国に守ってもらうと居直ることができればいいが。野党は『いかん』と言うが、僕は危なくなったからこそ行くべきだと思う」と話す。

戦争が始まったら石油は途絶える

   これに対し、ジャーナリストの青木理氏は「有志連合にも直接かかわらず、イランも刺激せずというのは、はっきり言えばポーズでしかない」と指摘。「出すのならば、どういう意味で自衛隊を出すのか、国会できちんと議論をしないと。そうしないと、いつの間にかズルズルと自衛隊が海外に行き、戦闘に巻き込まれるという不幸が起きかねない」と言う。

   また、テレビ朝日コメンテーターの玉川徹氏は「実際問題、戦闘が起きたら、自衛隊が行ったところで船を守ることができるのか。(原油などを運ぶ)日本の船に乗っているのは外国人がほとんどなので、『行かない』と言われたらそれまでだ」と話す。

   自衛隊派遣以前に、日本がすべきことへの意見もある。現代イスラム研究センター理事長の宮田律さんは「日本はイランとは意思疎通していると思うが、イランとアメリカの仲介をするのであれば、やはりアメリカを説得しないとダメです。アメリカからも何らかの譲歩を引き出さないと公平ではない」と話す。

   玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「戦争が始まったら石油が途絶えると思った方がいい。だから日本は戦争が起きないようにしないといけない。それは外交であり、アメリカの説得です。アメリカの大統領と仲が良いというならば、あらゆる手段をとってアメリカを説得しないといけません」

文   ピノコ| 似顔絵 池田マコト
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