世代格差や世代断絶を極限化して描く風刺の効いたパロディードラマだ。舞台は近未来の日本。社会は70代の「団塊」、50代の「バブル」、40代の「ロスジェネ」、30歳前後の「ゆとり」、10代の「ミレニアル」の各世代に分裂し、世代間の軋轢によって日本経済は停滞し、荒廃の一途だ。
妻の実家の財力でのし上がったバブル世代のダメ総理大臣・安藤直樹(大友康平)は、そんな日本の舵取りにうんざりしていた。そこで、各世代の代表者が仮想現実(VR)空間で戦い、勝ち残った者が大統領となって日本を統治するという全国民参加型大統領決定戦「SEDAI WARS」を実施すると宣言した。
工場跡の廃屋のVR空間で戦いは始まった
工場跡の廃屋のVR空間で、いよいよ世代間バトルロイヤルのゴングが鳴った。「団塊」世代代表の町内会長・山尾茂(西岡徳馬)は柔道着姿で精神論と根性論でモーレツ日本を取り戻そうと奮闘し、「バブル」世代のパート主婦・鈴木香織(横山めぐみ)はボディコンでジュリ扇ビームを発射し、「ロスジェネ」世代の独身OL・白井優子(真飛聖)はぶりっ子アイドルに変身して、アンダースコートも露わに回し蹴りを食らわす。それぞれが、その時代を象徴するドラマや風俗のパロディーになっているのである。
そんなことを尻目に、国民は「理想の女神」が疲れや悩みを癒してくれる超人気アプリ「NTMY(ネトマイ)」に夢中だ。それを運用する謎の勢力はあらゆる個人情報を集積し、『女神』を通じて国民の意識を操作していた。実は、ダメ総理の安藤もこの勢力に操られているのだった。
ド派手な特撮バトルシーンに加え、大友康平の顔面を崩壊させての怪演も見ものだ。(深夜1時43分放送) 寒山