「もう疲れた」ともらす安倍首相―退陣カウントダウンが始まった!パラリンピック閉会翌日9月7日説

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   年末年始にかけて、2020年が激動の年であることを予感させる衝撃的なニュースが流れた。一つは、カルロス・ゴーン被告が故郷のレバノンへ逃亡していたことが、かの地に着いたゴーンからメディアを通じて発表されたことである。

   年明け早々には、トランプ大統領が命じて、イラン革命防衛隊のソレイマニ司令官をイラクの首都バグダッドで殺害した。ソレイマがアメリカに対するテロ活動をしようと計画していたとトランプは「弁明」しているが、その根拠をはっきりさせてはいない。

   以前からいわれていたように、今年最大の不安材料は、再選を狙うトランプであることを、自ら証明してみせたのである。イランのロハニ大統領は直ちに「報復する」と宣言し、8日にイラクにある駐留米軍基地2カ所を弾道ミサイルで攻撃し、米軍兵士を多数殺したと発表した。日本の新聞は、これを受けて9日朝刊で「イラン報復、米軍基地攻撃」(産経新聞)、「イラン、米軍攻撃 『報復』弾道ミサイル」(読売新聞)と、今にも全面戦争が起こるかもしれないと報じた。

   しかし、アメリカ側は被害状況を精査して、米軍被害者はいないと確認、トランプは声明を発表して、「イランも沈静化の方向に向かっているようだ」(朝日新聞DIGITAL1月9日11時06分)、「米国は和平を受け入れる用意がある」(同)と述べた。

   今回は、イラン側が「大人の対応」をしたため、最悪の事態は回避できたが、トランプが「イランはわが国の軍事力を怖れている」と勘違いして、今回のような愚行を繰り返せば、イランはためらうことなく、中東の米軍基地へミサイルを撃ち込み、中東全土が火の海になるだろう。

   1962年の「キューバ危機」以上の深刻な事態になるかもしれないのに、安倍首相は"われ関せず"と正月はゴルフ三昧だったという。安倍の足許ではIR汚職が発覚し、東京地検特捜部がIR担当の内閣府副大臣だった秋元司を収賄容疑で逮捕した。秋元のほかにも、岩屋毅前防衛相や宮崎政久法務政務官などの実名が報じられ、その一人、日本維新の会の下地幹郎衆院議員は、2017年の総選挙中に選挙資金として100万円を、IR参入を目指していた中国企業「500ドットコム」から受け取っていたことを認めたのである。

   特捜部の標的として、IR議連の幹部である細田博之元官房長官や河村建夫元官房長らの名前も取り沙汰されていると、週刊文春が報じている。菅官房長官もこの会社のCEO(当時)と面識があるというから、今月中に事業者の選定基準を示した基本方針を策定する予定だったが、先行きは不透明だそうだ。

   週刊文春によれば、このままでは悲願の憲法改正などできはしないと、安倍首相本人が「もう疲れた」と洩らしているという。週刊文春は「パラリンピック閉幕翌日の『9・7退陣』」が濃厚だとしている。そうなれば、佐藤栄作の持つ「連続在位日数」を超えるし、岸田文雄に禅譲すれば、キングメーカーとして君臨できるという目論見だというのである。

   1964年の東京五輪のときは、閉会式の翌日、池田勇人首相が佐藤を後継に指名して退陣している。それに倣おうというのかもしれないが、安倍首相を脅えさせる因縁も今年はある。

   今年の干支は「庚子(かのえね)」というそうだ。60年に1度回って来る。60年前といえば1960年(昭和35年)。日米安全保障条約に反対する「安保闘争」が全国に広がり、安倍首相が尊敬する母方の祖父・岸信介内閣を総辞職に追い込んだ年である。

   この年は、キューバ危機に直面するJ・F・ケネディが大統領に当選している。歴史は繰り返す。嫌な予感がする。

ゴーンに付き添って関空まで行った芸能事務所関係者って何者か?知りたい

   昨夜8日、レバノンに逃亡したゴーンが会見した。2時間半にわたるワンマン会見を、あまり上手ではない同時通訳にイライラしながらテレビ東京とAbemaTVで見た。感想はひと言「がっかりした」

   推定有罪、自白強要、人質司法、長すぎる公判など、日本の司法制度のおかしさを批判するのはいい。日本人の多くもそう思っている。日本から逃亡したやり方を明らかにできないのも理解できる。だが、肝心な、彼の身の潔白を証明する決定的な「証拠」は出してこなかった。

   ゴーンが「仕組まれた」というこの事件の構図は、簡単にいうとこうだ。ルノーに吸収されることを怖れた日産幹部たちが、日本の政治家・検察と手を組み、この計画を潰そうとして起こしたクーデターだというのである。日産の人間の実名は出したが、政治家の名前は、レバノン政府と日本政府との関係があるからいえないという。この期に及んで、肝心なところをうやむやにするのでは、何のための会見だったのか。

   確固たる裏付けのないまま、自分は無罪だと百万遍繰り返しても、聞く側の心には響かない。名前を挙げた川口均専務執行役員(当時)が菅官房長官と親しかったのは周知の事実である。菅は川口に頼まれて何らかの動きをした可能性があることを、ゴーンは知らなかったのだろうか。そうした「ゴーンしか知らない事実」を会見でぶちまけると思っていたのだが、何もなかった。

   週刊新潮によれば、ゴーンの逃亡劇には元グリーンベレーが関わっていたが、日本人、それも芸能事務所の関係者が、ゴーンが品川から新幹線に乗り関西国際空港に至るまで接触していたと報じている。この人間は何者なのか、知りたいものである。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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