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暴力団組員はみんな国民保険に加入!週刊ポストのアンケートが面白い

   週刊ポストの現役の暴力団組員アンケート。私はこういう企画が好きだ。いかにも週刊誌らしい。ヤクザは政治が好きらしい。ヤクザになっていなければ、政治家になっていたと公言する親分たちが多いそうだ。そんな政治通のヤクザたちは安倍首相を評価していないという。「線が弱い。覇気がない。あの迫力では相手を打ち負かせない」。なるほど当たっている。

   東京オリンピックに関しては、賛成が多いそうだ。なぜなら、前の東京オリンピックでは仕事が山ほどあって、えらく儲けたそうだから。山口組の分裂抗争については、回答無し。そう簡単には収まらないという見方だそうだ。

   景気についてはどうか。悪いが80%を超えている。意外なのは、かなりの人間が民間の生命保険に加入していることである。国民保険には全員が加入していたという。年金保険料は払っていない。なぜなら、表向きヤクザは無職でなければならないから。もっとも、厚労省の年金担当の課によると、年金関連法には反社会勢力に年金を払わないという規定はないから、支給されるという。年金は郵便局なら直接受け取れるそうだ。

   ヤクザをこれからも続けたいというのは少数で、いいえが圧倒的。令和になってもヤクザは生き残るか。違法ドラッグや売春がなくならない限り、ヤクザは残る。その通りだと思う。(文中敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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