今年(2019年)は台風被害が相次いだ。被災地はどんな年の瀬を迎えているのか。天皇皇后両陛下はきのう26日、10月の台風19号の豪雨で川が氾濫した宮城・丸森町などを訪れた。即位後初の被災地訪問で、住民らの話に耳を傾け、「大変でしたね」などと声をかけた。
大竹真リポーターは9月の台風15号の時に取材した千葉・鋸南町の田村洋子さん宅を訪れた。屋根はまだブルーシートで覆われ、瓦の一部ははがれたままだ。修理のめどが立たないため、田村さんは11月に木更津の借家に引っ越していた。「海が大好きだったので、終の住処として(鋸南町に)引っ越したんですが、海が怖くなってしまった。(台風で)トラウマになって、ちょっとの風でもすごくドキドキしちゃって」と電話で話していた。
野生動物が里に下りてきて農作物被害
阿部祐二リポーターは東京・奥多摩町の日原地区へ。台風19号で道路が崩落し、まだ孤立状態が続いている。仮設の歩道は設置されているが、車は通れない。住民は町の送迎車などを利用して行き来している。70代の女性は「冬に向かってこんな思いをするとは思わなかった」と話す。
83歳の女性は長男から一時避難を提案されているが、日原地区で一人暮らしを続けている。
「いくら子どものところでもね、やっぱり家ほどいいところはないからね」
人の往来が減ったことで、タヌキやシカなど里におりてくる野生動物が例年より多く、畑の作物の被害も増えている。奥多摩町の道路の完全復旧にはあと1年以上かかる見通しだ。
司会の加藤浩次「復旧があっての復興なのに、復旧作業のスピードはどうしてあがらないのでしょうか」
菊地幸夫(弁護士)「自然災害に対する経済的な補償が少なく、住民への金銭的な負担が大きいことと、職人の不足があると思いますが、早くしないとまた来年の台風が来てしまいます」