秋元司ついに逮捕!国民にもわかりやすい汚職―野党は腕も見せどころだ
かねてから逮捕されるといわれていた元内閣府副大臣でIR(統合型リゾート)担当だった秋元司衆院議員(48)が、IR事業への参入を目指していた中国企業側から370万円相当の賄賂を受け取った容疑で、25日(2019年12月)に東京地検特捜部に逮捕された。
週刊新潮も週刊文春も、残念ながら締め切りには間に合わなかったので、読売新聞と朝日新聞の社説を読み比べてみた。両方とも、疑惑の徹底解明が求められるという点では同じだが、読売新聞はIRを東京五輪後の成長戦略の柱として準備が進められてきて、観光客の増加や地域経済の振興につながると、前向きにとらえ、巨額な海外企業からの投資資金の一部が、「行政への不適切な働きかけなどに使われることがあってはならない」と、カネの使われ方に注意を喚起している。
朝日新聞の方は、秋元議員の逮捕は「IR実施法の立案・審議過程や、その後の政府部内の手続きにも、大きな疑問符がつく事態」だとし、菅官房長官が見直す考えはないと言明したことに、「認識が甘いと言わざるを得ない」と批判する。「いったん歩みを止め、問題点を洗い出すのが筋」「今回の摘発は氷山の一角ではないのか。カジノ利権の解明なくして、国民の理解は得られない」と、IR事業そのものを根本から見直せと主張している。
安倍首相の「桜を見る会」疑惑では、国民の側の関心がいま一つ盛り上がらなかったが、何兆円という巨額なカネが動くカジノ建設にまつわる疑惑は分かりやすく、国民感情に火がつきやすい。
野党の腕の見せ所だが、心配なのは、野党議員にもIRに関与し、カネをもらっているのがいるのではないか。身内も切り捨てる覚悟を持ち、徹底的に追及してもらいたいものだ。