ペットのイヌやネコが繁殖し過ぎて世話をしきれなくなってしまうことを、多頭飼育崩壊という。ネコを100匹以上飼っていた神奈川県の50代の女性の家は、ネコのふん尿やゴミだらけだ。「本当に人が住んでいたのですか、と思いました」とネコの保護活動をしている「たんぽぽの里」の石丸雅代代表は話す。
連絡を受けた妹も「姉さん、よく生きてたなあと。どこで寝ていて、どこで食べていたのかっていう状態でした」。もともとネコが好きで、最初は数匹で飼い始めたが、1人暮らしになり、家族と連絡が希薄になるにつれ、多頭化が進んだのではないかという。
いまは100匹のうち約40匹を預けているが、「朝3時間世話をして、昼もちょっとトイレを見て、夕方の2時間で病気のネコに薬をあげると5、6時間かかります」と生活が一変したという。「このままだと、金銭的にも労力的にも許容オーバーじゃないかと思っています。何とか、里親探しへつなげたい」と話している。
キャットフード、トイレ砂、ワクチン、不妊去勢手術と、もう大変!
環境省によると、多頭化飼育崩壊の苦情は全国で2199件(2016年度)あった。崩壊の理由の1位は「飼育の知識がない」、2位は「経済的な状況(お金がない)」だ。ネコ1匹を1年間飼うと、キャットフード、トイレ砂、ワクチン、不妊去勢手術など10万円から17万円必要になる。10匹飼うと100万円以上かかるわけだ。
キャスターの立川志らく「私は2匹飼っていますが、2匹だってなかなか大変なのに」
吉川美代子(TBS元アナウンサー)「多頭飼育崩壊は、形を変えた虐待ですよね」
望月優大(ウエブマガジン編集長)「根本的には、不妊とか去勢のところがうまくいっていないからだと思われます」
多頭飼育の規制について、髙橋知典(弁護士)は「犬・猫は民法上モノ扱いなので、財産権の侵害になる可能性もあり、規制しづらいんです」と指摘する。