ことし(2019年)現役を引退したイチローさん(46)が22日(2019年12月)、出身地の愛知県豊山町で長年行われてきた少年野球大会「イチロー杯」の閉会式に参加し、少年たちに最後のメッセージを送った。
大会を今年で最後にすることにした理由についてイチローさんは「僕はこの春、現役を引退しました。その時に『イチロー杯』のことが真っ先に浮かび、これまで現役として皆にシーズンに感じたことをメッセージとして伝えてきたが、それができなくなる。そのことと向き合えなくなるので、この決断に至りました」と説明。
そして少年たちに2つのラストメッセージを送った。1つは「先生たちが厳しく教えることが難しい時代、自分自身を自分で鍛えてほしい」。もう1つは「世界に出て自分の価値観を変えるような体験をしてほしい」ということだ。
「外に出て初めて分かることってたくさんある」
28歳で大リーグに挑戦した自らの経験を振り返り、「外に出ると、傷つくことだってあるし、楽しいことももちろんいっぱいある、勉強することがいっぱいありました」と語ったイチローさん。「今はスマホでいろんなことが情報としてすぐ頭に入る。世界が小さくなったように思えるが、外に出て初めて分かることってたくさんある。体験して感じてほしい」とエールを送った。
小学生から「どこに行ったらイチローさんの指導を受けられますか」と質問されると、「高校生になった時の話だね。もし『お願いします』と言われればどこにでも行くので、『来て』と言ってくれれば可能になるね」と答えた。
石原良純(気象予報士、タレント)「時間ができるから、イチロー杯をもっと発展させればいいというのが素人の考えだけど、イチローにとっては1年間自分が見てきたものを伝える場だったね。イチローが教えたいのは野球じゃないんだ。見ているところが違います」
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「確かにネットでは人間の幅は広がらない。人間は人間同士の関係の中で新しいことを学ぶことによってしか広がれない。イチローさんが伝えたいことは、野球よりももっと大きくて広くて深いものでしょうね」
司会の羽鳥慎一「教育者としての活動をされていくのではないでしょうか」