東京・板橋区の小学生たちが、遊び場を求めて区議会に陳情書を提出し、区議会本会議の審査結果がきのう19日(20019年12月)、リーダーの相澤悠真くん(小学6年生)に届いた。陳情した5つの項目のうち4つが採択され、1つが継続審査となった。
発端は今年2月(2019年)。廃校になって子どもたちの遊び場になっていた旧板橋第三小学校の校庭で、突如、ボール遊びが禁止になった。区の施設の建設工事が始まることになり、危険なためだ。近くのフェンスのある公園でボール遊びはできるが、狭いうえに、利用者が多いため、好きなようには遊べない。バットも使用禁止なのでキャッチボールしかできない。
地域の公園の実態調査をしたうえで陳情書
相澤くんは「子どもが使っていた施設なのに、大人だけで勝手に決めてしまっているのはおかしい」と思って、同級生を募ってチーム「the・レッドムーン」を結成し、遊び場を求める活動を始めた。地域の公園の実態を調査し、保護者らに報告もした。陳情書を出して区議会に議論してもらう方法を教えてもらい、先月13日(2019年11月)に陳情書を提出し、こう訴えた。
「グラウンドを使っていたのはほとんど子ども達だったのに・・・。だから不満をいだいたぼくたちはこのちんじょうを書きました。今後、子どもに関する決め事がある場合など子どもの意見を聞く機会や仕組みにしてほしいです」
陳情書には、「近くの公園の利用時間を延長してほしい」「廃校の校庭を平日に一時開放してほしい」「子どもの意見を聞いてほしい」など5項目を盛り込んだ。
陳情書は区議会文京児童委員会で議論されて、本会議で公園の利用時間は午後4時半から5時半に延長されることなどが決まり、「運動場の一般利用できる日を決めてほしい」という項目が継続審査となった。
小学6年生「『子どもの意見を聞く』ということが採択されたのがうれしい」
結果について、チームの西澤一路くん(6年生)は、「僕が一番うれしかったのは、『子どもの意見を聞く』ということ(が採択されたこと)。遊び場だけでなく、他の事にも子どもたちが訴えることができるのでいいなと思った」、高木大誠くん(6年生)は「(弟は)一番下が2歳。この陳情が通ったので、大きくなったら公園で遊んでくれればいいと思う」と話していた。
チームのメンバーは今後、議会の結果をチラシにして地元の子どもたちに配る予定だ。
司会の加藤浩次「文句言ってるだけじゃなくて、自分たちで陳情書を書いて議会を通した。すごいことですね」
菊地幸夫(弁護士)「今の世の中、SNSで自分の意見を言うのが主流なのに、大人の前に自分たちで出て行って、メッセージを届けたことに意味があります」
犬山紙子(イラストエッセイスト)「通した板橋区議会もすばらしい。ブラック校則に対しても子どもたちが陳情を出せるようになるといいですね」
桜を見る会に税金で後援会メンバーを呼んでいた国会議員よ、こういう少年少女たちこそ呼んで、話を聞かなければいけないのだよ。